close

2018.05.25

メーカーズボイス

2012年のある試合での敗戦―― それこそがフェデラーの復活、PRO STAFFの新たな進化を作り上げた

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

PRO STAFF RF97 AUTOGRAPHと初めてRFの名前がラケットに刻まれることとなった

テニス界には"名作"と言われるラケットがいくつか存在する。中でも「WILSON PRO STAFF」こそ、名作中の名作だという人は数多い。
 その理由は2つ。コナーズ、エバート、エドバーグ、サンプラス、クーリエ、グラフという頂点のプレイヤーたちが使用し、数々のトロフィーを掲げてきたことが一つ。そして、独得のコントロール性、打球感...など他の追随を許さないパフォーマンスがあったからこそだ。ただし、稀代の名作を作るということは、その後、困難を迎えることとなる。並みのモデルでは、ユーザーの感動、信頼を得られないからだ。PRO STAFFは、それを作れてきたからこそ、根強い支持者がいるわけだ。



ツアーの中でも"PRO STAFF"を愛するプレイヤーがいる。ロジャー・フェデラーである。
右手にPRO STAFF MIDを携え、1998年にプロ転向を果たすと、21年目となった2018年で10本* のPRO STAFFを使用。数々の名シーンを演じてきた。PRO STAFF人気を作ってきたのは、フェデラーと言ってもおかしくはないだろう。
数多くあるシリーズだが、フェデラーにとって、PRO STAFFにとっても、大きな変革となったのは2014年の「PRO STAFF RF 97 AUTOGRAPH」である。
そのストーリーは、2012年ロンドン・オリンピックまで遡る。



フェデラーにとって、キャリアの目標はオリンピック金メダルを獲得しての生涯ゴールデンスラム。その最大のチャンスが訪れた決勝だったが、ここでアンディ・マレーに惜敗。その試合が、フェデラーにある決断をさせた。 「まだ果たせていないものがある。そのためにすべてを進化させたラケットを作ってほしい。特にスイートエリアの拡大とパワー。でもフィーリングはこれまでと同じものにしてほしい」とウイルソンにリクエストしたのだ。当時フェデラーは31歳、その決断は次のオリンピックでの金メダルはもちろん、続いていくキャリアの中でいかに勝つか考えての決断だったのだろう。
一時、フェデラーが黒塗りのラケットを使う姿が記憶にあるかもしれない。それは、さまざまなスペックのラケットを試していた時だった。その試打ラケット数はなんと127本! そうして、①97平方インチ ②50/50フレーム(ボックス形状とラウンド形状を組み合わせたフレーム) ③21.5mm厚フレーム ④薄く小さくしたPWS(周辺加重機構)という特徴を持った前作が完成。そして、「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」と初めてRFの名前がラケットに刻まれることとなった。



同ラケットの開始は、2014年のUSオープン(錦織選手が準優勝した大会だ)から、と記憶している人もいるかもしれないが、実はトロント・マスターズでお披露目となっている。フィーリングを損なわずにパワーを供給する「新PRO STAFF」は、フェデラーのテニスを加速させた。USオープンこそベスト4に終わったが、シンシナティ、上海と2つのマスターズ大会に優勝している(2年ぶりのマスターズ優勝)。
ただ、フェデラーにとって、同モデルはパフォーマンスが完璧であっても、デザイン、手触りという面で改良の余地があったようで、 「ラケットの手触り、触感をより良くしてほしい。ただし、それ以外は、何も変えないでほしい」



そして2016年、フェデラーがウイルソンと共に共同開発をした「PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH」が誕生。「自信を持って最小限のデザインでラケットを作ろう」(フェデラー)の言葉そのままに、タキシード・スタイルデザインのPRO STAFFが完成したのだ。
 休養もあってフェデラーが使用したのは2017年のスタートから。すると、直後の全豪オープンで、復活の告げる18度目のグランドスラム優勝を果たすのだから、スーパースターは持っている。その後、同年ウィンブルドン、今年の全豪オープンを制覇、そして5年3ヵ月振りとなるランキングNo.1の座に返り咲いたことは記憶に新しい。

べては"2012年、ロンドンでの決断"――それがフェデラーの復活、PRO STAFFの新たな進化を作り上げたとも言える。そのフェデラーの活躍もあって、現行のPRO STAFFは、セールスも記録的なものに。 「稀代の名作を作ることは、その後、困難を迎えることとなる」――そう紹介した。少なからず、それを感じていたユーザーもいたのだろう。そのユーザーも数多くが帰って来た。現モデルを手にして、「あのPRO STAFFが復活した!」と語っている。さらに、新規ユーザーは『PRO STAFF』ならではの魅力に酔いしれる。

奇跡の名作PRO STAFFは、最新作発表から2年を迎える。ウイルソンの通常サイクルを考えれば今年、新たなモデルが発表されることになる。すでにして完成度の高いPRO STAFFをいかにさらに進化させるのか?  テクノロジーは? デザインは? 詳細なスペックは? 興味は尽きない。いったいどんなPRO STAFFがお目見えするのだろうか?

* = 正確に記すと2014年発表の「PRO STAFF 90」は使用していない。幻のフェデラーモデルと言われるモデル



PRO STAFFシリーズ



PRO STAFF RF85
¥45,000(税抜き)

フェース面積: 85sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 342g

Av.バランス: 30.5cm 

フレーム厚: 17.0mm
グリップ・サイズ: G2, G3 

ストリング・パターン:16x18

適正テンション: 50~60ポンド

※シリアルナンバー入り正規品証明プレート付き


PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH
¥40,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 340g

Av.バランス: 30.5cm 

フレーム厚: 21.5mm
グリップ・サイズ: G2, G3 

ストリング・パターン: 16x19

適正テンション: 50~60ポンド

※ミニヒストリーブックレット、ポリバッグ付き


PRO STAFF 97 CV
¥38,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 315g

Av.バランス: 31.0cm 

フレーム厚: 21.5-21.5-21.5mm
グリップ・サイズ: G2, G3 

ストリング・パターン:16x19

適正テンション: 50~60ポンド


PRO STAFF 97
¥37,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 315g

Av.バランス: 31.0cm 

フレーム厚: 21.5mm
グリップ・サイズ: G2, G3 

ストリング・パターン: 16x19

適正テンション: 50~60ポンド


PRO STAFF 97S
¥37,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 310g

Av.バランス: 32.5cm 

フレーム厚: 19.5mm
グリップ・サイズ: G2,G3 

ストリング・パターン: 18x17

適正テンション: 50~60ポンド


PRO STAFF 97L CV
¥35,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 290g

Av.バランス: 32.5cm 

フレーム厚: 23.0-23.0-23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2 

ストリング・パターン: 16x19

適正テンション: 50~60ポンド


PRO STAFF 97LS
¥34,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 290g

Av.バランス: 32.5cm 

フレーム厚: 23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2 

ストリング・パターン: 18x16

適正テンション: 50~60ポンド


PRO STAFF 97ULS
¥31,000(税抜き)

フェース面積: 97sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 270g

Av.バランス: 32.5cm 

フレーム厚: 23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2 

ストリング・パターン: 18x16

適正テンション: 50~60ポンド



ウイルソン情報なんと450以上のウェブマガジン [Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録