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2017.06.20

メーカーズボイス

全仏決勝で激戦を演じたハレプとオスタペンコを支えたのはウイルソンのラケットだった

全仏オープン女子シングルス決勝は、第3シード、25歳のシモナ・ハレプ(ルーマニア)とノーシードの20歳エレーナ・オスタペンコ(ラトビア)というカードになった。いずれも勝てば、グランドスラム初優勝。ハレプは、優勝したら、世界No.1の座も手にする試合だった。


相手を称えたシモナ・ハレブは準優勝 使用ラケットBURN 100S CV

ハレプといえば、168cmと小柄ながら抜群のフットワークを生かし、守備からカウンターを狙うタイプ。一方、今大会の台風の目となったオスタペンコは、すきあらば強打を繰り出すハードヒッター(大会終盤、フォアの平均速度は時速122km。A.マレーの平均[117km]より速いと発表されていた)。言うなれば「守備を軸とするハレプ」と「攻撃を軸とするオスタペンコ」という構図だ。それは両者が使うラケットにも表れている。

ハレプが使用する「BURN 100S CV」は、100平方インチ、300gの黄金スペックに、18×16というスピン・エフェクト・テクノロジーを搭載したモデル。パワーと広いスイートエリア、そして最高のスピン性能を持つため、スピードとスピンを兼ね備えたボールを打つのに最適なラケットである


全仏オープン優勝のエレナ・オスタペンコ 使用ラケットはBLADE 98

一方、オスタペンコが使用するのは「BLADE 98(18×20) CV(全仏ではリバースカラーのラケットを使用)」。ボックス形状とラウンド形状を半々に生かしたX-LOOP設計など、しなりとトルネード効果によるたわみ戻しによってショットのエネルギーを生み出すことが特徴。ボールを打ち抜いて、コートにボールを突きさす、そんな打球を放つためのラケットである。

 今回の決勝のラリーを見ていると、両者・両ラケットの特徴がハッキリわかるものとなっていた。最大の特徴は、ネット上の通過点。ネット上低いところを通過するフラット系のボールで押しまくるオスタペンコに対して、ハレプは、トップスピンをかけたボールで高い場所を通過していた。それが数字にも表れている。ウィナーの数はオスタペンコ54に対して、ハレプは8。アンフォーストエラーはオスタペンコ54に対してハレプ10。つまり、オスタペンコはリスクを背負って攻め、ハレプは高い安定感で対抗したというわけだ。

第1セットを6-4で奪ったハレプは、第2セットも3-0でリードする。ベースライン際で落ちるハレプのボールに対して、ミスが多くなっていたオスタペンコは、ここで「失うものはないのだから、この瞬間を楽しもう。子供のように楽しむだけ」と思い直したという。すると、ハレプに傾きかけていた流れが一転する。6-4でオスタペンコが第2セットを奪った。第3セット、オスタペンコはベースラインの内側に入り、フォアはもちろん、バックでもドンドン強打を打っていく。ハレプは「何度もボールを見ているだけになってしまった」と語るとおり劣勢に。

最後は、5-3でブレークチャンスを迎えたオスタペンコが、リターンエース。その瞬間、オスタペンコの「夢が現実のものになった」。「彼女の強打は素晴らしかった」、惜しくも準優勝となったハレプは相手をそう称えた。
ハレプとオスタペンコ、両者のライバル対決は今後とも続いていく、そんな予感がする全仏決勝だった。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma