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2020.05.28

選手情報

NY便り「フェデラーの今とUSオープンは開催されるのか」

5月21日、アメリカ・ニューヨーク州のクオモ知事は新型コロナウイルス感染による(州内の)一日の新規入院者数が、3月のロックダウン(都市封鎖)以前の水準を下回ったと発表。その上で、峠は越えたが、“州内で経済再開を加速するつもりはない”“安全にできるまでは再開できない”と付け加えた。

そんな中、先に経済活動をスタートさせる国も出てきたヨーロッパから、テニス関連のニュースも到着している。例えば、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、私設大会の開催を発表しており、ラファエル・ナダル(スペイン)も練習を再開している。BIG3のもう一人、ロジャー・フェデラー(スイス)は新型コロナウイルスのパンデミックの間に100万ユーロを寄付、さらにアフリカの子供たちに100万もの食料を提供したという。そのフェデラーは、「ツアー再開はまだ先のことで、この休暇を楽しむことが精神的に重要である」と語り、スイスの自宅でミルカ夫人と4人の子供たちとゆっくり過ごし、本格的なトレーニングは再開していないという。

そのコメントがニュースとなるフェデラー、グランドスラムやマスターズなどの大きな大会について「無観客の中でプレーすることは難しい…」と答えたことが報道されていた。ちなみに、コメントの数日後5月25日は、フェデラーにとって記念すべきグランドスラムデビューの日である。

1999年、当時17歳だったフェデラーは、前年にウィンブルドンJr.を制覇、そのほかツアーでは当時ランキング5位だったカルロス・モヤ(現ナダルコーチ)に勝利するアップセットを起こしている。グランドスラムデビューとなった同年の全仏オープンの1回戦で対戦したのは、第3シードのパトリック・ラフター(元US王者)。その試合は、ファーストセットを7-5で先取したが、3-6、0-6、2-6で初戦敗退となっている。

さて、今、アメリカで話題の一つとなっているのが、USオープンが無事開催となった場合、フェデラーは参加するのか? というものだ。先日、ニューヨークのクオモ知事がプロスポーツ選手の練習再開を許可したことはニュースとなったが、開催できるのかというと、USTA(全米テニス協会)だけでクリアできる問題ばかりではない。そもそも、アメリカは、まだ海外からの渡航者を受け入れていないし、そこがクリアとなったとしても、会場に多くの人が集っても大丈夫なのか?という疑問符が付く。

先日、ニュースでお伝えしたとおり、政府筋はUSオープンというビッグイベントを開催することで、経済的なことはもちろん、世界に安全であることを発信したい意向を持っていると言われている。あながちフェイクではないだろう。とはいえ、開催にこぎつけるまでの問題は山積みしている。わずかずつではあるが、危機を脱しつつあるニューヨークが、今後どうなるのか? 動きがあり次第、またレポートしたいと思う。

文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)