互いに力を振り絞ったフルセットの戦いの末シャポバロフに敗れたシナー試合時間3時間55分、濃密な戦いだった。全豪オープン初日、多くの注目カードがある中で、特に注目されていた試合が、21歳のデニス・シャポバロフ(カナダ/世界ランク12位)[11]と19歳のヤニック・シナー(イタリア/同32位)の“テニスの未来”対決だった。【動画】シャポバロフvs.シナーハイライト/シナー記者会見第1セット、スローなスタートになったシャポバロフに対して、シナーが6-3でセットを先取する。これで奮起したのが、シャポバロフ。第2セット第1ゲームは、15ポイントにも及ぶロングゲームとなったが、3度ブレークポイントを握られたシャポバロフがキープ。すると第8ゲームでブレークして6-3で取り返す。第3セットは6-2でシャポバロフ、第4セットは6-4でシナーが奪取。勝負の第5セット、第1ゲームでシナーにミスが出てシャポバロフがブレーク。これ響いて6-4、シャポバロフが勝利した。
「本当に彼は、とんでもない才能を持っている。アメージングだし、彼のゲームは本当に大好きだ。今日も、彼のプレーはめちゃくちゃ良かった。勝敗に関しては、5セットゲームの経験の差が出たと思う。数年前、ツォンガとの戦い(2018年大会でジョー・ウィルフリード・ツォンガ/フランスに6-3、3-6、6-1、6(4)-7、5-7で敗戦)の経験が生きた」と試合を振り返ったシャポバロフ。敗れたシナーは、前日に「グレート・オーシャン・ロード・オープン」決勝を戦い、優勝したばかり。その影響があったのでは? という質問に対して、シナーは「正直、(前日の)影響はない。多少の疲労はあったけどね。それよりも大きな大会の前に、準々決勝、準決勝を(ダブルヘッダーで)戦うというのは厳しかった」と回答。決勝よりも、その前日の2試合が痛かったと語った。選手が宿泊するホテルで新型コロナウイルス陽性者が出たことで、2月4日の試合が急遽中止に。そのためのスケジュール変更が、シナーに影響を与えたわけだ。シャポバロフは、「彼が昨日まで戦っていたのは知っている。グランドスラム前に試合するというのは、決してイージーではない」と影響はあっただろうと口にしている。試合について、「互いにタフな試合だった。彼は偉大な選手だよ。今日は特にサーブが良かった。とにかく第5セット第1ゲームが悔やまれる。ただ、2人に大きな差はないと思う。今日は、大事なところで彼にいいプレーが出た。勝利に値するものだった」と振り返ったシナー。敗れはしたが、今大会に出たことはプラスもあったという。それが、ラファエル・ナダル(スペイン)との練習だ。選手たちはオーストラリア到着後、14日間の検疫期間を強いられた。その期間中は1日5時間のトレーニングが認められていて、練習相手を事前に指名することになっていた。アデレード組だったシナーは、ナダルから練習相手に選ばれて、2週間、一緒に練習する機会を得ていた。今大会での収穫について、「ラファ(ナダル)と練習をしたことだね。それはとてもとても大きなレッスンになった。もちろん、そのためにここに来たわけではない。でも、大きな理由の一つだ。2週間、彼はコートでの過ごし方、正しいメンタルを僕に示してくれた。それは何より大きなレッスンだった」と説明した。「フルセットでの敗戦は、メンタル的にすごくタフだ。でも、大きなレッスンになるだろう。今は日々成長しているのが楽しい。次の大会を正しいメンタル状態で臨みたい」、そう前向きに語ったシナー。シャポバロフと共に、今後の活躍に注目したい。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら