close

2020.06.12

選手情報

NY便り「マイケル・チャンが31年前の伝説の試合と錦織選手の近況について語る」

1989年の全仏オープン、このキーワードでピンと来た方はテニス通だ。
この年は、錦織圭(日清食品)の現コーチであるマイケル・チャンが、17歳でグランドスラム史上最年少優勝を果たした大会だ。その途中、4回戦で世界No.1イワン・レンドル(A.マレーの元コーチ)と死闘、そして伝説のアンダーサーブ、11本ものブレークポイントを凌いだステファン・エドバーグとの決勝…など、記憶に残る大会だった。言わずもがな、その主役となったチャン氏が、『TENNIS.com』で当時の心境を吐露。そこから一部をご紹介しよう。

「レンドルとの試合中、そして試合後もエモーショナルだった。中国(当時、天安門事件があった中国のことも時代背景としてあった)のことでとても多くのことがあり難しい時間を過ごしたからだ」とチャン。1989年6月、プロ転向2年目にして世界ランキング19位まで上り詰めていたチャン氏は、全仏オープンで戦うと同時に、ある国に思いを寄せていたのだという。

数年前、『CNN』の取材では死闘となった4回戦について語っている。第4セット以降から痙攣を起こしていたチャンは、第5セット途中で「サーブができず、ほぼリタイアしょうと考えていた」とも語っている。しかし、「サービスラインのところで構えた時、信じられないほどの確信が生まれたんだ。まるで神が『(リタイアしようという思いに対して)何をしているんだ』と言わんばかりにね」となってリタイアを思い留まる。その後、ムーンボールや鋭いショットを巧みに使い、さらにアンダーサーブをも使ってレンドルを揺さぶって、死闘を制した。これで勢いを得たチャン氏は、史上最年少タイトルを手に入れたわけだ。

冒頭でご紹介したとおり、チャンは2013年から我らが錦織選手のコーチに就任している。その錦織選手についても、答えている。「昨年は右ヒジを手術したが、今はブラデントン(IMGアカデミー)での練習に、マックス(・ミルニ)と取り組んでいてとても良い状態だよ。新型コロナウイルスで世界中がとても悲しい時期を迎えている。だが、圭のテニスにとっては、良い点もあった。オリンピックが延期になり、トーナメント出場に向けての準備ができている。高いレベルのトーナメントに100%の健康な状態にギアをあげていけると思う。ランキングが4位だった時のような、フレッシュな状態で再び戻れるようにしたい」。現役時代、勝負強さに定評があったチャン。今度はコーチとして、錦織選手をグランドスラムの頂点に導いてほしいものである。

続きを読むには、無料会員登録が必要です。

無料会員に登録すると、記事全てが読み放題。
記事保存などの便利な機能、プレゼントへのご招待も。

いますぐ登録

写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma

関連する記事RELATED