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2021.05.16

テクニック

フェデラーのフォアハンド「叩くフォア」と「曲げるフォア」はこうやって打つ! 鈴木貴男プロによるテクニック解説(3) [リバイバル記事]

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一般プレーヤーでもマネできるフェデラーの打ち方を、鈴木貴男プロが独自の視点で解説。これであなたもフェデラーになれる!

フェデラーの2種類のフォアハンドを
一般プレーヤーにもマネできる部分を鈴木貴男プロが解説!

ツアー優勝103回、グランドスラム優勝20回(全豪オープン6回、全仏オープン1回、ウィンブルドン8回、全米オープン5回)。“GOAT(GREATEST OF ALL TIME)”は、間違いなく世界で最も高い人気を持つプレーヤーだ。8月で40歳を迎える今でも、グランドスラム・コンテンダーとして、名前が挙がる。“美しい”と形容されるフェデラーのプレー。特徴はどこにあり、私たちはどこを吸収できるのか? 2005年全豪オープン、06年ジャパンオープンで、直接ボールを打ち合った鈴木貴男プロが、ならではの視点で解説する。前回に引き続き今回もフォアハンドについて紹介!

※解説/鈴木貴男(Team REC):1976年9月20日生まれ。175cm・75kg。北海道札幌市出身。堀越高校(東京)卒業。片手打ちバックハンド。95年プロ転向。同年、デ杯日本代表に選出される。デ杯日本代表では、最多勝利数(41)、シングルス最多勝利数(27)、ダブルス最多勝 利数(14)、最多勝利ペア(9、岩渕聡プロとコンビ)、最多試合出場(31)、最多年出場(15)と記録を持っている。岩渕プロとのダブルスでは、2005年AIGジャパンオープン優勝。フェデラーとは、05年全豪オープン(3-6, 4-6, 4-6)、06年AIGジャパンオープン(6-4, 5-7, 6-7[3])と2度対戦経験がある。
※『テニスクラシック・ブレーク』2019年2月号に掲載したものを再編集した記事になります

【関連記事】フェデラーのショットはこうやって打つ! フェデラーのテクニック(技術)を解説した記事8つを紹介[リバイバル記事]



脅威の精度を誇るフェデラーのフォアハンド

〈Point 3〉
インパクトの瞬間、視線をキープすることで
体が安定しスイング速度が上がる


前回、フェデラーのスイングのポイントとしてテイクバックについて述べましたが、彼のテニスの最大の特徴は”目線”にあると思います。わずかな時間ではありますが、視線をインパクト方向に向けて振り抜いています(振り抜いた直後に前を見る)。なぜ、これをやるのかというと、スイング速度を瞬時に上げるためです。やってみればわかりますが、顔、腕、体幹とすべてが動いてしまうと、ヘッドを走らせることはできません。しかし、顔をしっかり据えることで、体が安定してヘッドが走るのです。

【画像】フェデラーのインパクトの写真はこちら


視線はインパクトに止めスイング速度を上げる



《ココも参考にしよう!》
上達のために考えたいのは「いい打点で捕らえる」こと

テニスにおいて、何が大切なのか? それは「いい打点で、ボールをしっかり捕らえる」ことです。そのためには、どう準備をすればいいのか? どうすれば時間ができるのか? そういった考え方も持ってみてはいかがでしょうか。形を気にすることは、悪いことではありません。目標はラリーや試合でいいショットを打つことです。毎回、異なった質のボールがくるテニスでは、形を整えるだけでは対応も難しいもの。上達するために、そういった考え方もヒントになるかと思います。


最も大事なのは“形”ではない。“いい位置でボールを捕らえる”こと!


↓ココもCHECK!!
フォアハンドは打点の許容範囲が広い

フェデラーとて、いつも最適な打点で打てるわけではありません。しかし、フォアハンドの場合は、自由が効く分、打点もある程度、許容範囲が広がります。





フェデラーの2種類<叩く><曲げる>のボールは
このように打つ!


フェデラーには基本的に2種類の選択肢があります。一つは、真後ろからボールを捕らえる質のいい<順回転>のボール。フラット系の速いボールでも使います。もう一つは、わずかに曲げる<回転系>のボールです。

例えば、ボール1球分、左にカーブさせたいという時には、やや右下から捕らえて右上にラケットを抜くスイングをしますし、回り込みフォアハンドなどでは、ボールの左側を捕らえて左にラケットを抜くシュートボールも打ちます。

ショットを受ける側も、どんなボールが飛んでくるのかはわかっています。しかし、ボール1球分のズレというのは、ラリーでは対応が難しいギャップです。相手にとって対応が難しいカードを、常にフェデラーは切っているわけです。

【画像】フェデラーの、真後ろからボールを捕らえたショットの連続写真はこちら

【画像】フェデラーの、ボールの右側を捕らえたショットの連続写真はこちら


ボールの当て方をそれぞれCHECK↓
<順回転のボール>
後ろからまっすぐ当て、ヘッドをまっすぐ上に抜く



質のいい順回転のボール。速く弾まないフラットボールも打つ



<左にカーブするボール>
やや右下から捕らえ、右上にヘッドを抜く



わずかに左に変化するボール


<シュートボール>
左側を捕らえ、左側にヘッドを抜く



回り込みフォアで使うシュートするボール


《フェデラーのここにも注目!》
アプローチに向けたスキップショット

【画像】フェデラーのスキップショットの連続写真はこちら

フェデラーが現れる以前は、あまり見られなかったショットの一つが、アプローチショットの際に使う『小さなスキップ』。低いボールに対して使うもので、回り込んで下から上へとスイング。軌道を上げ、ネットを越えさせて、アプローチショットとして使用します。スキップは、あくまで結果論。前にステップし、スイング。前へと詰めていくため、結果、意図せずともスキップという形になるのです。



左足を踏み込み、スイング。ボールの軌道を上げるためにも、結果的にジャンプとなる

【次の記事】フェデラーのサーブはこうやって打つ! 鈴木貴男プロによるテクニック解説(4) [リバイバル記事]




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解説写真=山岡邦彦(NBP)、フェデラー写真=石塚康隆(NBP)、田沼武男