close

2021.06.18

デイリートピックス

ジュニアの育成にはどのくらいお金がかかる!? 香港のテニススクール事情

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

香港のジュニアのレッスンの様子

香港ではどのぐらいスクールにお金がかかるのか!?
レッスン内容なども紹介


日本から飛行機で約3時間。コロナ禍以前は人気の海外旅行先であった香港は、実はテニスが盛んな地域でもある。今回は香港のテニススクール事情についてジュニアレベルの育成に絞って紹介する。

※「ドル」の記載はすべて香港ドル


【画像】香港のトレーニングセンターの様子



「テニスを習おう!」と思ったら
まず候補となる香港テニスアソシエーション

香港テニスアソシエーション(以下HKTA)は、政府の出資を受けて香港におけるテニスの発展や選手およびコーチの育成を行う機関。香港全土でレッスンを行っており、香港のほとんどのパブリックコートでレッスンが開催されている。そのためテニスを始めようと思ったら、まず自分の家の近くにあるHKTA開催のレッスンを探すのが一般的である。また、HKTAはレッスンだけでなく、地域レベルから国際レベルまで数多くのトーナメントを主催している。

HKTAの特徴としては、香港人だけでなく外国人のコーチが多く所属していることで、クラスでは広東語と英語両方が使われている。コーチの国籍は様々で、香港の歴史的な背景にからかイギリス人が多く、またスペイン人や中国本土からきたコーチも在籍している。この点は日本のテニススクールと大きく異なる点だと言える。

プロを目指すジュニアのクラスの月謝は約7万円

HKTAでは、まったくの初心者レベルからITFの大会に出場するレベルの選手まで幅広く育成を行っている。3歳からクラスがあり、両親のうちどちらかが一緒に受講することが可能となっている。より上の年齢になってから受講を開始する場合は、レベルチェックのためのテスト(アセスメント)により、入るクラスが選定される。多くの場合、年齢により振り分けられることが多いが、すでにトーナメントで実績がある場合や、それまで習っていたコーチによる推薦がある場合などは、よりレベルの高いグループに入ることも可能である。

費用は3歳から8歳までのビギナークラスで月600ドル(約8,500円/週1回、1回1.5時間)からと比較的リーズナブルな価格に設定されている。このビギナークラスだけでも、香港内の32ヶ所で行われている。
8歳前後からは、通常のクラスと上級クラスに分けられる。上級クラスに入る選手はコーチによって推薦されるか、トーナメントでの実績によってHKTAより招待が届く。上級クラスの子どもたちは香港島、九龍島、ニューテリトリーと3つのエリアにあるコートに振り分けられ、レベルの高い選手同士が一緒に練習することになる。この上級クラスの練習は、週に3回、1回3時間で、費用は月5,000ドル程度(約7万円)となっている。

香港テニスキッズの憧れ!
「National Tennis Squad」


HKTAには、10歳前後以上の将来有望な子どもたちが所属する「National Tennis Squad」と呼ばれるチームがある。このチームに入るには、まずHKTAからの招待を受けて、年に1回行われるアセスメントに参加しなければならない。アセスメントへの招待を受けるのは、HKTAがランキングやこれまでの実績をもとに選んだ選手のみである。合格した選手たちは、住んでいる地域によって4つの場所に分かれてトレーニングをすることになる。トレーニングは週4回、1回3時間で約5,000ドル(約7万円/1回あたり約6,000円)となっている。筆者の息子が9歳だった時に、日本の有名テニスクラブに参加した際の費用は1回3時間で6,500円だったので、香港と日本ではあまり差がないと言える。

ちなみに練習内容としては、2人1組でウォームアップをした後、3〜4つのコートに分かれてフィットネスを含むドリルを行う。その後ドリルで練習した内容を使い、試合に即した練習に移る。練習の順序に差はあるとしても、日本の有名テニスクラブの練習もドリルとフィットネス、試合形式が組み合わされていた。ただ、日本のほうがフィットネスに力を入れている印象で、ケガ防止の観点において優れていると感じた。香港では基本的にテニス(ラケットでボールを打つオンコートでのプレー)が中心となる。

NTSでは、海外遠征も行っており、台湾のナショナルトーナメントなどさまざまな大会にコーチとともに参加することができる。海外遠征を行う場合は別途、費用がかかる。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

写真=山根ゆずか