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2021.06.10

デイリートピックス

全仏オープン・ジュニアにワイルドカード枠が8つも!? あらためて押さえておきたいワイルドカードの仕組み

ワイルドカードで出場した大会で優勝したカラツェフ 文=山根ゆずか

グランドスラムのワールドカードの数や
仕組みをあらためて紹介

大会2週目から始まった全仏オープンジュニア。64ドローのうち8枠がワイルドカード(以下WC)となっており、全体の約13%を占める。グランドスラムの男女シングルス本戦においても、128ドローのうち8枠がWCで全体の約6%。なぜWCという仕組みが取り入れられているのか、またどのようにWCを獲得することができるのかイマイチわからないという人もいるだろう。そこで、WCの仕組みや、グランドスラムにおけるWC枠の数、さらに過去WCで出場して大活躍した選手を紹介する。


【ドロー】全仏オープン・ジュニアにWCで出場する選手をチェック

WCとは主催者推薦のこと

WCは「主催者推薦」のことで、通常の方法によっては出場する権利がない選手に、予選あるいは本戦に出場する権利を大会主催者が与えること、またはその権利を与えられた選手を指す。WCの主な目的は、過去に実績のある選手や大会が開催されている国の選手を多く出場させることで高いレベルの試合を経験する機会を与えたり、観客動員数や収益を上げたりすることだ。WCは、グランドスラム男女シングルス本戦における128ドロー中、最高8人までとされている。

主催国の選手で通常の基準では入れなかった選手や
ケガでツアーを離脱していた選手が獲得しやすい

WCについては基本的に大会主催者が決定するため、特にルールはないが、一般的には主催国の選手で、通常の基準では予選や本戦に入れなかった選手がWCを獲得しやすいと言える。大会の予選や本戦に出場するための基準を満たしていない選手を出場させることができるのがWC。そして、このWCは開催国の選手が選ばれることが多い。今回の全仏オープンでも、男女シングルス本戦とジュニア女子シングルス本戦のWCは8人中7人が、ジュニア男子シングルス本戦では全員フランス人が獲得している。

また、今年の全豪オープンでは、2020年のジュニア優勝者が予選のWCを獲得した。ジュニアで活躍するのもWCを獲得する方法の一つだ。

ほかには、ケガで離脱していた選手が獲得するケースもある。実際には出場することはなかったものの、ケガから復帰したアンディ・マレー(イギリス/世界ランキング123位)が全豪オープンのWCを獲得し、錦織圭(日清食品/同49位)は「ミレニアム・エストリル・オープン」(ATP250)のWCを獲得した。ケガでツアーを離脱していた元トップ選手もWCの対象になりやすい。

また、大会の本戦や予選に出場するためのWCをかけて戦うトーナメントがある。このようなトーナメントを通じてWCを獲得するという方法もある。日本では、全豪オープンジュニアの本戦に出場する権利を競う「全豪オープンジュニアワイルドカード選手権」が開催されていたり、高校生の全国大会「全国選抜高校テニス大会」個人戦の優勝者には、USオープン・ジュニア予選のWCが与えられている。

一方で、ランキングが上位で、主催国出身であってもWCを得られない場合もある。2019年のUSオープンにおいて、当時世界ランク112位であったトミー・ポール(アメリカ)がWCを得られないという事態が発生した。ポールはこの大会に予選から出場しなければならないアメリカ人の中で最も高いランキングを保持していた。この件については、マレーや同じアメリカ人であるテイラー・フリッツ(同33位)などのトップ選手もSNSなどで疑問の声を上げた。

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