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2021.09.12

選手情報

内山靖崇が立ち上げた男子国内大会「Uchiyama Cup」、シングルスは白石光と島袋将が決勝に進出。ダブルスは柚木武/楠原悠介ペアが初代王者に!

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ダブルス初代チャンピオンに輝いた柚木武(チームralosso)/楠原悠介(伊予銀行)ペア

シングルスは第1シードの島袋将と
第4シードの白石光が
決勝進出!


現役プロテニスプレーヤーの内山靖崇(積水化学工業)が立ち上げ、9月5日から北海道・札幌市平岸庭球場にて開催されている男子国内大会の『Uchiyama Cup』。本戦5日目を迎えた9日11日(土)は、シングルス準決勝とダブルス決勝が行われた。

【画像】試合結果(ドロー表)とプレー写真はこちら

【動画】「Uchiyama Cup」シングルス準決勝とダブルス決勝の動画はこちらから

シングルスの準決勝、第4シードの白石光(早稲田大学)とノーシードから勝ち上がった鈴木昂(イカイ)との対戦は、立ち上がり確率の高いファーストサーブで堅実にプレーをした白石のペースに。第3、第7ゲームで鈴木のサービスゲームをブレークし、第1セットは白石が6-2で奪取する。第2セットは鈴木が白石のバック側に軌道の高いスピンボール、フラット、低く滑るスライスなど、さまざまな球種を配球してきたことにより白石にミスが出始める。6-3で鈴木が取り、勝負はファイナルセットへ。互いにブレーク合戦からスタートする中、先にリードしたのは鈴木だった。一時は3-1とリードしたものの、白石の粘りとアグレッシブに攻める硬軟織り交ぜた展開に鈴木のミスが増え、3-3に戻されると、どちらに転ぶかわからない展開に。第8ゲームで鈴木のファーストサーブの確率が落ちたところを白石がブレークして5-3。白石が次のゲームをラブゲームでキープし、6-3として決勝進出を決めた。

試合後、白石は「準々決勝の相手(竹内研人)に続き、準決勝も左利きの相手。相手のフォアが僕のバックになるので集められることが多いけれど、第1セットは振り切れて取ることができた。第2セットは鈴木選手が軌道の高い、ループ気味のボールを混ぜてきて、僕のボールが浅くなったところをアタックして前に詰める、という戦略をしてきてイヤな流れになってしまった。最終セットは鈴木選手の入りがよく、打ちまくったボールが入ってきた。風が強かったので正直、自分はあまり打てず厳しい状況になったけれど、1-3の15-30、3-3の0-40から自分のゲームをキープできたことが大きかった。ファイナルセットで相手がファイトして声を出して取りにきていることがわかっている中、元気で大人に負けていたらいけないなと思い、技術的にというより、気持ちで負けないような試合をしようと考えた」と振り返っていた。決勝に向けては、「(決勝の島袋とは)自分が高校3年、島袋さんが大学3年の時に全日本選手権で一度対戦し、1-6、6-7(3)で負けている。よく一緒に練習をしたり、同じ大会に出たりしていることもあるけれど、それ以来対戦したことがない。大学を出て海外を回っている選手なので、自分がどこまでできるか挑戦者の気持ちで戦いたい」と意気込みを語った。

第2試合、第1シードの島袋将(有沢製作所)と竹島駿朗(Team REC)との対戦は、パワーで押したい島袋と、それを打たせない竹島というある種かみ合った展開に。第1セットは、一進一退の攻防からタイブレークで島袋が2本のダブルフォルトを犯し、竹島が7-6(4)で先取する。第2セットも、竹島の緩いボールの配球と、強風で攻めきれない島袋だったが、5-5の第11ゲームでミスの出た竹島からブレークを奪うと、次のゲームをキープして7-5。第1試合に続き、この試合もファイナルセットへ突入した。第3セットでは、セット奪取の流れから第1ゲームで島袋がブレークを先行。第3ゲームも集中力の落ちた竹島のサービスゲームをブレークすると、そのまま6-2で決勝進出への扉を開いた。

逆転負けを喫した竹島は「相手は遅いボールをイヤがっていたので、バックに集めて相手のミスを引き出すプレーをした。第2セットではブレークポイントがあったにもかかわらず、それをリターンのミスなどで取りきれなかったのが残念。最後は自力の差が出た形となってしまった」と敗戦の弁。一方、勝利した島袋は「コンディション的にもよくない部分もあったが、最終的に勝てたことを自信にしたい。強風ということと、2回戦くらいから(左)足首を痛めていて、今まで通りの試合ができない中、試行錯誤しながら知恵を絞りに絞って戦った。それが勝ちにつながったのは大きいし、自分のテニスの幅においても役に立つと思う。第2セットでは竹島さんにブレークポイントを握られる場面もあったが、それをうまく我慢して切り抜けられたのが大きかった」とコメント。白石との決勝に向けて、「決勝では(大学の)先輩としての意地やプライドを見せたいし、その中でもしっかり相手をリスペクトして戦いたい。YouTubeでも多くの方が視聴してくださると思うので、いい決勝をお見せしたい」と抱負を述べた。

ダブルスは柚木武/楠原悠介ペアが栄冠!

ダブルス決勝は、経験の河内一真(フリー)/鈴木昂(イカイ)ペアと、若さの柚木武(チームralosso)/楠原悠介(伊予銀行)ペアとの対戦となった。連戦の疲れが見えた鈴木のサービスゲームを第1ゲームでブレークした柚木/楠原ペアが勢いに乗り、6-2、6-3で優勝。190cm超えの長身から繰り出す柚木のパワーあるサーブと、楠原のテクニックが見事にかみ合ってサービスキープに一切の隙を見せず、「Uchiyama Cup」初代王者に輝いた。

見事優勝した柚木/楠原ペアは「大会が中止になる中、開催していただけて本当によかった。(ペアの)楠原さんは一つ上の先輩だけれど、いつも楽しくプレーできるし、慣れもあるので戦いやすい。また機会があったらお願いしたい。シングルスはケガでリタイアしてしまい、フィジカルの大切さを改めて感じているので、今後はトレーニングも頑張っていきたい」(柚木)、「自分たちはサービスキープが基本で、どこでブレークできるか、というところで苦しむので、今日の試合は最初のゲームでプレークできたのが大きかった。(柚木は)同じ法政大学出身で、学生時代も一般大会に一緒に出ていた。パワーがあるので安心感があり、JTA大会だといまだ無敗。その中でも賞金総額300万円の大会は初優勝なのでとてもうれしい」(楠原)とそれぞれ語り、喜びをあらわにした。

決勝で敗れた河内/鈴木ペアは「試合をするごとにペアとしての息は合ってきていたが、今日は相手のほうがペアとしての完成度が高く、一枚うわてでなかなか崩せなかった。まだまだ練習が必要だと感じている。でも、JTTレベルで決勝進出は初めてだったので、これを自信に今後も頑張っていきたい」(河内)、「ファーストセットで離されたぶん、そこで相手にプレッシャーがかからなかった。そうなるとどんどんショットが入ってくるので、最初からセカンドのような接戦に持ち込めれば、わからなかったと思う。自分はJTTの決勝は何度か進んでいるけれど、なかなか優勝ができないので次は優勝したい」(鈴木)とそれぞれ悔しさをにじませながらも今後の活躍を誓っていた。


なお、同大会の試合の模様は、内山靖崇のYouTubeチャンネル「内山靖崇のうっちー教室」でライブ配信予定となっている。

■9月12日(日)の試合予定
【Aコート】11:00〜 ※[ ]はシード順位
男子シングルス決勝:島袋 将[1]×白石 光[4]
表彰式



【Uchiyama Cup大会要項】
■公認:公益財団法人日本テニス協会
■主催:内山靖崇
■運営:Uchiyama Cup 実行委員会
■協賛:積水化学工業株式会社、工新建設株式会社、株式会社ロイヤル・アーツ、株式会社COMP、株式会社エイチ・アイ・エス、合同会社トータルメディアファクトリー、株式会社ACE、ウインザー商事株式会社、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社 ほか
■期日:予選9月5日(日〜6日(月)、本戦9月7日(火)〜12(日)
■会場:札幌市平岸庭球場(ハードコート:デコターフ)
〒062-0935 北海道札幌市豊平区平岸五条19-2-1
■種目:男⼦シングルス本戦32ドロー、予選32ドロー
男⼦ダブルス本戦16ドロー
■試合方法:
シングルス本戦:ベストオブ3タイブレークセットマッチ
シングルス予選:2タイブレークセットおよび10ポイントマッチタイブレーク方式
ダブルス本戦:ノーアドバンテージ2タイブレークセットおよび10ポイントマッチタイブレーク方式
■使用球:TecnifibreX-One(JTA公認球)
■ボールチェンジ:本戦7/9(6球)、予選7/9(4球)
■賞金総額:300万円
■カテゴリー:JTT–1大会

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写真=長浜功明/Uchiyama Cup