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2021.12.04

ジュニア選手

原﨑朝陽選手(ノア・テニスアカデミー神戸垂水)にインタビュー 全豪オープンジュニア出場を目指す! 日頃どのような練習をしているのか!?【注目のジュニアテニス選手特集⑥】

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攻撃的なフォアが魅力のサウスポー
テニスへの高い探求心を持つ高校2年生

将来の活躍が期待される注目のジュニア選手を紹介するこのコーナー。6回目は、2019年の全国中学生大会覇者で、今年2021年全日本ジュニア18歳以下男子シングルス・ベスト4、また今年の全日本選手権では2回戦進出を果たした原﨑朝陽(はらざき・あさひ/ノア・テニスアカデミー神戸垂水)選手にインタビュー。どのようなきっかけでテニスを始め、日頃はどのような練習を行っているのか。日本テニス界のダイヤの原石に迫る!



「自分のやりたい練習を自由にやりたいタイプ」

――テニスはどのようなきっかけで始めたのですか?
3歳ぐらいから近くのテニスクラブに通い始めたのが最初だと聞いています。少し歳の離れている兄がテニスをやっていて、楽しそうだなと思っていました。(ラファエル・)ナダル(スペイン)などよくプロの試合を見るのが好きだったので、自分もやってみたいな、と。テニスクラブに通う前、2歳ぐらいでは道路でスポンジボールなどを使って遊んでいたと思います。

――原﨑選手は左利きですが、それは最初からだったのですか?
もともとは右利きだったみたいですが、親が、左利きのほうがテニスでは有利だ、ということを聞いて(親はテニスはやっていないのですが)、左手でラケットを持たせるようにしたみたいです。物心ついたときにはすでに左利きで、文字を書くのもお箸を持つのも左です。利き腕については親に感謝ですね。

――現在、ノア・テニスアカデミー神戸垂水校(以下、神戸垂水校)で練習していると思いますが、神戸垂水校に通うようになったのはいつ頃ですか?
高校1年生になってからです。神村学園高校に進学することになり、その母体となっている神戸垂水校に通うことになりました。自分のやりたい練習を自由にできそうだな、と思ったのが理由です。その前までは地元のテニスクラブでテニスをやっていました。

――日々どのように練習していますか?
神戸垂水校に来て練習するのは、今は週に2回程度です。それ以外は、大学生と一緒に練習させてもらったりしています。ノアでの練習は1日5時間ぐらい。お昼に休憩を挟んで、午前と午後に練習しています。練習内容は、球出し練習もしますが、ラリー練習やポイント練習が中心で、実践練習を多くやっています。午前9時から午後4時までコートが使えるので、練習の間の時間で課題練習に取り組むこともでき、非常に充実した練習をこなすことができます。
ノアに来ると、隣のコートで所属のプロ選手たちが練習していたりすることがあります。例えば、渡邉聖太くんや市川泰誠くん、大西賢くんとか。時々コートで一緒に交ぜてもらえることもありますが、そういう目指すべき人たちが近くにいるのでモチベーションが上がります。
また、僕は自由に練習したいタイプ。“こういうふうにしたい”、“こうしたらどうだろう”と好奇心旺盛で、いろいろなことをやってみたいと思っています。そのつど、そうした要望をコーチが聞いてくれて、練習に反映してくれたりアドバイスをしてくれます。お昼の休憩時に、コーチに「こういうことをやりたいんです」と言えば、気軽に対応してくれる。ふと課題が思いついた時に行きやすい場所だなと感じています。


住友ゴム工業主催の「2021 DUNLOP ROAD TO THE AUSTRALIAN OPEN JUNIOR SERIES in 四日市」大会で優勝し、全豪オープンジュニア前哨戦のITFジュニア大会「トララルゴンジュニア国際」のシングルス予選ワイルドカードを獲得


得意なプレーは回り込みフォア
頭を使った嫌らしいテニスをしたい

――好きな練習はありますか?
僕が好きなのは、下克上のようなポイント練習です。数人でやるのですが、例えばチャンピオンの人を決めて、その人に勝ったら順位が上がる、負ければ下がる、というようなサバイバル形式のものです。試合と同じ緊張感や集中力を経験できるので、僕はそういう練習のほうが好きですね。

――原﨑選手の得意なプレー、自信のあるプレーについて教えてください。
フォアハンドで積極的に攻撃していくプレーが得意です。左利きのプレーヤーは、フォアのクロスを相手のバックの高いところに打つスタイルが基本だと思いますが、僕はどちらかというと、まっすぐのボールだったり、回り込んで逆クロスに打ったりするほうが得意で、そういうプレースタイルのほうが好きです。最近は、楽に早くポイントを取れるようにネットプレーも増やしていきたいと考えています。


優勝スピーチを行う原﨑選手


――10月に開催された全日本選手権では、高校生ながらも本戦2回戦に進出。出場してみてどうでしたか?
楽しかったです! これまで動画の中で見ていた選手たちが、すぐ横のコートで練習していたり、挨拶してくれたり。“あぁ、ここまで来たんだなぁ”と実感しました。また、多くの選手やスタッフの方々、関係者の方などいろいろな人たちと会って話すことができたのが楽しかったです。会場のブルボンビーンズドーム内では次から次へと声をかけられるので、なかなか目的地にまでたどり着きませんでしたから(笑)。

――ジュニアはあと1年残っていますが、今後どのように活動していきたいですか?
ITFジュニアでランキングを上げることを目標に、遠征していきたいと思っています。これまでほとんど国内大会に出場していたので、外国人選手と試合をする機会が少なかったんです。今後は海外で通用するように実力を上げていきたい。言葉なども勉強していきたいので、ITFジュニアの大会に出場したいです。グランドスラムジュニアにも出場できれば出たいと思っています。
その後の将来については、まだ決めていません。もちろんテニスは頑張りたいですが、プロなのか大学進学なのかは来年の結果次第かなと思っています。

――世界はだいぶ前から意識していたのですか?
正直に言うと、最近のことです。僕の場合、テニスで楽しんでいたら、いつの間にかここまできていた、という感じです。小さい頃は、大人になれば(ノバク・)ジョコビッチ(セルビア)みたいにうまくなれるものだと思い込んでいたので(笑)。

――これからどんなテニスを目指しますか?
得意なフォアの逆クロスを磨きつつ、もう少し左利きっぽいテニスをしてきたい。相手のバックの高いところを打ったり、速いショットを打ったり、いろいろなことをやって、頭を使った“嫌らしい”テニスをやっていきたいです。

ノアでは自分のやりたいことを
練習内容に反映してくれる

テニスを楽しみつつも、探求心を持って主体的に取り組んできた原﨑選手。そうした原﨑選手を神戸垂水校で指導する寺嶋啓コーチは、「“もっとうまくなりたい”、“試合に勝ちたい”、“プロになりたい”といった目標を持ってテニスに取り組むジュニアたちのポテンシャルを最大限に引き上げられるようコーチングに努めている」と話す。


原﨑選手が練習するノア・テニスアカデミー神戸垂水校


ノアが2012年より開設しているジュニアテニスアカデミーは、テニスで目標を持つジュニアたちが継続して競技テニスに取り組めるような環境、機会を提供しているアカデミー。テニスを競技として頑張りたいジュニア向けのアカデミーだが、「技術レベルは特に関係ありません。クラスのレベルや年齢にもよりますが、最初はボールを正しく飛ばすための体の使い方などからスタート。練習はできるだけゲームを意識した実践的な内容が中心で、各選手の課題に合わせて指導する時間をとる個別練習も取り入れています」(寺嶋コーチ)と、どのジュニアも無理なくレベルアップできるように一貫したプログラムが組まれているという。


そうしたノアでの練習について原﨑選手は「ノアにはボールもたくさんありますし、さまざまなトレーニング器具も揃っていて、とてもいい環境で練習できています。また、僕のような好奇心旺盛で、“こんなことをやってみたい”“こういうふうにしたい”と思っているタイプにとって、ノアでの練習は楽しいものです。自分のやりたいことを練習に反映してくれるのがいいなと思っています」とコメントしている。


原﨑朝陽選手にはリモートで話を聞かせてもらった

自由な発想で自主的にテニスに取り組んでいる原﨑選手は、先日行われた住友ゴム工業主催の「2021 DUNLOP ROAD TO THE AUSTRALIAN OPEN JUNIOR SERIES in 四日市」大会で、見事に優勝。全豪オープンジュニア前哨戦のITFジュニア大会「トララルゴンジュニア国際」のシングルス予選ワイルドカードを獲得した。いよいよ本格的に海外の大会に挑戦する原﨑選手。持てる力を思う存分発揮して、世界へ大きく羽ばたいていってほしい。


連載 : 注目のジュニアテニス選手特集

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写真提供=住友ゴム工業(株)