今大会初の失セットも、見事な立て直しで勝利したナダル
5月29日、「全仏オープン」男子シングルス4回戦、過去13度優勝の第5シード、ラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク5位)は、第9シードのフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ/同9位)と対戦。4時間21分の激闘の末、ナダルが3-6、6-3、6-2、3-6、6-3で勝利。6年連続16度目の準々決勝進出を決め、「若くして世界のトップにいて、良い武器を持っている彼に勝ったというのは価値ある勝利だ」と語った。
【動画】ナダルの“スマッシュ返し”&勝利の瞬間をチェック
ここまで3戦連続ストレート勝ち、不安視されていた左足も現状問題ないように見えるものの、第26シードのボティック・ファン・デ・ザンツフルプ(オランダ/同29位)との3回戦では終盤に不安定さも見せているナダル。対するオジェ・アリアシムのコーチは、ナダルの叔父でもあるトニ・ナダル氏(この試合は、チーム席でなくエンドに座って観戦)。そんな意味でも興味深い対戦となった。
第1セットから拮抗した戦いに。第3ゲーム、オジェ・アリアシムにミスが出て15-40とナダルがチャンスを迎える。しかし、ここはオジェ・アリアシムが凌ぐ。すると、第4ゲーム、今度はオジェ・アリアシムがチャンスを迎えると、ナダルの回り込みフォアハンドがアウト。先にオジェ・アリアシムがブレークとなる。直後にまたもナダルはブレークバックのチャンスを迎えるものの、ミスが出てあと1本が奪えず。
セット開始から、特にフォアハンドのミスが目立つナダル。第5ゲームでも、3本のストロークミスが出てブレークを許す。続くゲーム、ブレークしたナダルだったが、オジェ・アリアシムが6-3でセットを先取。ナダルは、今大会初めてセットを落とした。
ナダルはセット間に、トレイットブレークを取って第2セットへ。オジェ・アリアシムがラリーの主導権を握るポイントが多いものの、なんとかキープを続けていく。徐々にフォアハンドの威力、精度が高まってきたナダルは、第5、第7ゲームをラブゲームでキープすると、第8ゲームでチャンスが到来。2本凌がれたが、3本目、オジェ・アリアシムにミスが出てブレークに成功する。そして5-3で迎えたサービング・フォー・ザ・セット、ブレークバックを許さず。第2セットはナダルが奪った。第1セットに15本のアンフォーストエラーがあったナダルは、このセットは4本とミスを減らしている。
調子を上げてきたナダルに対し、オジェ・アリアシムにミスが増えていく。第3セット第3ゲーム、ナダルはリターンゲームで30-40とすると、オジェ・アリアシムが前に出て強打、スマッシュ。これをナダルが連続で拾うと、続いて放ったオジェ・アリアシムのスマッシュがオーバー。またもナダルが先にブレークする。第7ゲームでもサービスゲームを破り、6-2でこのセットも奪取する。
そして第4セット第2ゲーム、オジェ・アリアシムがブレークチャンスを作ると、ナダルのフォアハンドがネット。第1セット以来のブレークに成功する。直後にナダルに取り返されてしまうが、オジェ・アリアシムは第4ゲームでまたもナダルのサービスゲームを破る。1ブレークアップをキープしたオジェ・アリアシムが6-3で奪取して、勝負を最終セットに持ち込む。
最終セットは、我慢比べになる。第2ゲーム、ナダルは30-40と先にチャンスを握るが、ここはオジェ・アリアシムがサーブで押してキープに成功。さらに第6ゲーム、オジェ・アリアシムは、40-0からデュースとされるが、ここもサーブ&ボレー、サービスポイントを決めて凌ぐ。
しかし、第8ゲームでナダルが15-40とチャンスを作る。サーブポイントで1本凌いだオジェ・アリアシムだったが、続くポイントでついにブレークに成功。5-3としてサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。
ファーストポイントを奪われたナダルだが、サーブポイント、ボレー、フォアハンドのダウン・ザ・ラインウィナーと立て続けにポイントを奪って40-15とマッチポイントに。ここでサーブ&ボレーに出るナダル。そのボレーをオジェ・アリアシムが必死に拾う。最後まで粘ったが浮いたボールをナダルが決めて試合終了。勝利の瞬間、ナダルは両手を上げてガッツポーズを作った。
オンコートインタビューでナダルは「あまり良いスタートではなかったし、チャンスを活かしきれなかった。彼のサーブが良くて大変だったよ。それでも最後はアグレッシブに攻めよう、ネットに出ようと思っていたんだ」と語っている。
続く準々決勝で待っているのは、昨年の王者で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同1位)。対戦成績はナダルの28勝30敗となっているが、全仏オープンに限定すると6勝2敗とリードしている。両者の対戦は、今大会のハイライトの一つとなるはずだ。
■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)〜6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート
【特集】全仏オープン2022の記事はこちら
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら