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2022.07.05

選手情報

キリオスが8年ぶり8強! 右肩痛を押してプレーし、フルセットの激闘を制す「今夜は必ず一杯のワインを飲むよ(笑)」[ウィンブルドン]

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右肩痛の中、精度重視のプレーでキリオスが勝利

現地7月4日、ウィンブルドン男子シングルス4回戦、ニック・キリオス(オーストラリア/世界ランク40位)はブランドン・ナカシマ(アメリカ/同56位)と対戦。ノーシード同士の戦いは、キリオスがフルセットの末に4-6、6-4、7-6(2)、3-6、6-2で勝利し、2014年大会以来2度目となる準々決勝進出を決めた。オンコート・インタビューで、キリオスは「今日はベストのコンディションではなかったけど、勝つことができてよかった。今夜は必ず一杯のワインを飲むよ(笑)」と語っている。

【動画】8年ぶり8強入り!!キリオスvs.ナカシマ4回戦マッチハイライトをチェック

3回戦、キリオスは第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/男子同5位)を 6(2)-7、6-4、6-3、7-6(7)で撃破して勝ち上がり。一方、グランドスラムで初の4回戦進出を果たしたナカシマは、2回戦で昨年ベスト4のデニス・シャポバロフ(カナダ/男子同16位)を破るなど今大会勢いに乗っている。

試合はナカシマのサーブからスタート。ラブゲームでキープすると、キリオスも難なくキープする。共に短いポイントが多く、試合がスピーディーに進んでいく。先にチャンスを握ったのはナカシマ。第10ゲーム、リターンからチャンスを掴んで0-40とすると、キリオスのミスを引き出してブレークに成功。6-4でナカシマが先取する。

3回戦とは打って変わり、静かにプレーを続けるキリオスは、第1セット中盤から時折右肩を触り、険しい顔を見せながらプレー。そんな中、第2セット第3ゲームで先にブレークに成功する。このチェンジオーバーで、キリオスはトレーナーからもらった痛み止めを飲む。その後は互いにキープが続いてセット終盤へ。本来、キリオスのファーストサーブは通常、時速220キロ程度出るが、時速190キロ程度に抑えてプレー。それでも、ブレークは許さず6-4でセットを取り返した。

第3セットは第4ゲームまでラブゲームキープが続く。ナカシマの3-2となったチェンジオーバーで、キリオスはついにメディカルタイムアウトを取って肩周りのマッサージを受ける。そのままタイブレークに入ると、4ポイント目、ナカシマがダブルフォールトを犯してキリオスがミニブレークに成功。さらにリターンエースを2本決めたキリオスが7-6(2)でセットを連取する。続く第4セット、キリオスは痛み止めが効いてきたのか、スイングが鋭くなっていく。ところが、セット中盤からミスが目立つようになり、2ブレーク許してナカシマが6-3でセットを取り、最終セットへ突入した。

勝負の最終セット、先にブレークしたのはキリオスだった。第3ゲーム、ミスを引き出してブレークチャンスを作ると、ナカシマのフォアハンドスライスがネット。キリオスが2-1とリードする。さらにキリオスは第5ゲームでもブレークに成功。そのままピンチを迎えることなく試合を締めた。

ウィンブルドン初出場となった2014年大会以来、8年ぶりの準々決勝進出を決めたキリオスは、オンコート・インタビューでナカシマについて、若いにもかかわらず素晴らしい選手だと称えると「今日はベストのコンディションではなかったけど、勝つことができてよかった。観客の皆さんも最高だったよ。この1ヵ月半、たくさんテニスをしてきたんだ。安定したプレーができたと思うし、僕の5セットでの記録は素晴らしい。負けたことがないんだ」と調子の良さをアピール。

「デミノーとの対戦は正直楽しみだった。彼は長いことオーストラリアを背負って戦ってきた。彼が2セットアップの時にコートに入ったから期待していたんだけどね。でも、それは考えず、今夜は必ず一杯のワインを飲むよ(笑)」とジョークも交えて語っている。

勝利したキリオスは、準々決勝でクリスチャン・ガリン(チリ/同43位)と初めて対戦する。ガリンは、4回戦で2セットダウンからフルセットに持ち込んで、最終セット10ポイントタイブレークの末に第19シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同27位)を下している。



■ウィンブルドン2022 [THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4035万ポンド(66億6160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK

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写真=田沼武男