close

2022.09.10

ジュニア選手

「日本人選手の未来は明るいですよ」、山中夏雄コーチが語る日本人の可能性

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

錦織圭の“手は神様レベル”にすごい

Q.IMGアカデミー出身の錦織圭(ユニクロ/同370位)選手のテニスにも、そういった部分を感じられますね。覚えている中で、彼の良いところというとどんな部分になりますか?

「圭(錦織)については、私はロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)に匹敵するほど、素晴らしい“手”を持っていると思っています。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)よりも上だと思います。ボディー・コーディネーションが素晴らしく、手は神様レベルなので、必然的に相手が予想できないボールを打つことができます。

具体的に言うと回転量が違いますね。ライジングであれだけの回転かけられるのは、(アンドレ・)アガシか圭くらいだと思います。早いタイミングで打つとどうしても回転量が減ってしまう。スピンがかけやすいから、高い打点で打つわけです。初心者的には、ボールが落ちたところで打つ方が簡単ですが、レベルが上がると、高いところで回転をかけられる。でも、圭やフェデラー、アガシくらいになると違う。アイコーディネーション(目の調節)が異常に高いわけです。エピソードはいろいろありますが、そこが一番に思いますね。

圭が12歳の時に打ったボールの質は、当時のトップ10と遜色ないものでした。見た目やステージはジュニアの12歳なんだけど、やっていることはトッププロと同じで、彼自身が先のことをやっていたわけです。少し前に坂本とも練習してもらいましたが、本調子でなくても色褪せていなかったですね」

Q.錦織選手に続く日本人選手の可能性というのはいかがでしょうか?

「チャンスはありますよ。よくトップ100に日本の選手がいない、少ないといった話になりますが、どの国でもそういう時期はある。アメリカ、イタリアは今いい時期ですが、スイスはどうなの? となりますよね。遅れを取っているとは思いません。未来は明るいですよ。今までどおり地に足を着けて、しっかり挑戦していくこと。ちゃんとやってきたことを続け、学ぶことがあるなら足していく。行動力があるなら大丈夫ですよ」

Q.楽しみな若手はいますか?

「ヤニック・シナー(イタリア)、カルロス・アルカラス(スペイン)といった選手はこれからが楽しみですよね。今、感じるのは中国の勢いです。IMGでやっている17歳の中国人選手も楽しみな存在です。でも、期待の若手といったら坂本ですよ。

どこまで行けるか、それはわかりませんが、彼のペースで、ベストを尽くしていくことで、いろいろな影響を与えることもできるはずです。テニスで、こんな風に自分を表現していいんだというのを見ていただきたいですね」

Q.最後に山中さんにとってテニスとは、どんなものでしょうか?

「ライフですね。人生そのもの。もちろん嫌なことがあり、我慢もありますが、人生を楽しむということが大事。難しい試合で負けたとしても、次のライフをどうするか? 来週のライフをどうするか? それだけでいいと思います。エンジョイすることが必要です」



■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)
・使用球/[男子]ウイルソン「USオープン・エキストラ・デューティ」、[女子]ウイルソン「USオープン・レギュラー・デューティ」

【特集】USオープン2022の記事はこちら


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録