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2022.09.10

ジュニア選手

「日本人選手の未来は明るいですよ」、山中夏雄コーチが語る日本人の可能性

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「テニスは超わがままであるべきスポーツなんです」

Q.どんなテニスをするかという部分もありますが、ジュニア世代では特に体を作るという過程も重要ですよね。

「そうですね。大会期間中もトレーニングは続けています。今はジュニアでさえもプロのようにオフシーズンが短くなっています。ケガを避けながら。ビルドアップを図ることが大事ですね。もちろんケアも大事で、たいていは体のひずみから来るもの。テニスというのは体反面を多く使うスポーツなので、日々重ねていっている体の癖を取る必要があります。そのうえで、体を作っていく。ケアをしてひずみを取って、ビルドアップを図る。その双方が大事です。数年後には坂本も、もっとビルドアップしているはずですよ」

Q.冒頭にも触れましたが、坂本選手は経験が浅い中で、可能性、スター性というものを感じます。

「ある意味、自由気ままにテニスをしていて、多くのことが気になっていない、うまく集中しているという状態かもしれません。ある意味、自由と言いますか。その反面、2回戦では一気に緊張が高まるシーンもありました。彼は、自分のペースを守るタイプでサーブのルーティンもしっかりしています。しかし、ここではショットクロックがあって、きちんと計測されていれますね。だから、わずかにリズムが早くなっていました。それも崩れる要因となります。

実は、ここ2ヵ月くらい彼に会えていなくて、久しぶりに会ったら、とてもガチガチに歩いていたのです。理由を聞いたら、彼なりに“やらなきゃ”という感じになっていました。だから、まず堅さを取り除きました(笑) 本当に自由だし、こちらが待たされたりもするし、イライラもする。付き合うのは大変な部分もありまうが、ある意味、私たちも成長させてもらっていると思います」

Q.自分のペースを守ることはカギになる。

「協調性とかは、人としては大事ですけど、個人競技という中で無理やり出す必要はないと思います。一般的にいう人間力という部分は、テニスで強くなるためにはあまりいらない。誤解しないでほしいですが、テニスは超わがままであるべきスポーツなんですよ。自分の考えで動き、プレーしてポイントを取る。絶対取ってやる、みたいな強い思いがうまく実現しないと、ラケット破壊や暴言になるわけです。

2月に坂本が来た時、こんなことがありました。ラリーをしていたら、私がいる場所に打ってくるんですよ。相手に合わせる練習、必要なロングラリーならばやるけれど、テニスは相手がいない、相手が嫌な場所に打つべきスポーツ。そのための練習だからねという話をしました」

Q.日本人が持つ協調性は、テニスでは問題になりうる。一方で、しっかり返すといったテクニックは、日本人だからこその精度の高さがありますよね。

「そうですね。日本人に、そういうベースがあるのは強みです。だから、雰囲気を持っている子もいます。あとは、いかに周りが受け入れて解放させてあげられるか。それも含めて環境作りは大切ですよね。私たちが育った時代のやり方は古い。それは1%もいらないと思います。チャンスは誰にでもあります。この世界に魔法はないですが、日本人は日々精進というのが得意ですからね」

Q.日本人の良さを大事にしながらも、世界基準を体得することが必要。だからこそ、コーチの役割は重いものです。

「どんな選手でも、根本には良いものを持っているんだと思います。あとは、いかに大事なところでそれを出すか。そういう環境を周りが作れるか? 個人的には、テニスをやろうと選んでいる時点で、自分で物事を采配したいといった意図を持っていると思います。そういう部分があるから、テニスを選ぶんだと思います」

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