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2022.12.29

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16歳小田凱人、プロ転向や史上最年少での年間王者など激動の1年を振り返る「来季は恐怖、プレッシャーよりも楽しみ」[後編]

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車いすテニスの最年少記録を打ち立てる小田凱人が激動の1年を回顧、そして来季への思い

日本車いすテニス界のホープ、小田凱人(おだ・ときと/東海理化/世界ランク4位)。車いすテニスを始め、わずか6年でプロ転向し、グランドスラム・デビューを果たしている逸材だ。2024年のパリ・パラリンピックで金メダルも期待される中、この1年を振り返って感じた手応え、この先に見据えることを伺った。

【画像】「今日で手術から7年」と闘病当時の写真とともに振り返った小田凱人のインスタグラム

9歳で左股関節の骨肉腫を患った小田は、10歳で車いすテニスに出会う。担当医師からパラスポーツを勧められる中、2012年ロンドン・パラリンピックで国枝慎吾(ユニクロ/世界ランク1位)が金メダルを獲得した姿をYouTubeで見つけたことがきっかけだった。

そこからわずか4年。2020年2月にフランス・タルブで行われた「車いすテニス世界ジュニアマスターズ」で優勝し世界一に輝くと、翌2021年には現世界ランク2位のアルフィー・ヒュウェット(イギリス)が持つ記録を更新し、14歳11ヵ月でジュニア世界ランク1位に。

今年4月には15歳11ヵ月でプロ転向。5月の全仏オープンでグランドスラム・デビューを果たすと、10月の「楽天ジャパン・オープン」では敗れはしたものの、世界ランク1位の国枝慎吾(ユニクロ)との激闘を演じ、会場を沸かせた。そして、11月には年間成績トップ8選手のみが出場できる「NEC車いすシングルスマスターズ」(オランダ・オス)決勝では、USオープンを制しているヒュウェットを6-4、6-3で破り、大会史上最年少となる16歳5ヵ月で同大会を制した。

そんな車いすテニスの最年少記録を次々と打ち立てている小田に、激動の1年や手術から7年経った今の思いや来季、そして世界ランク1位について話を伺った。

―9月25日のインスタグラムで『今日で手術から7年』と書いていました。小田選手にとって、この7年はどう感じていますか?

「手術の日から7年経ちましたが、あのときにこうなっているとは全く想像していない景色でしたし、道のりでもあった。そこは自分でもびっくりしています。テニスを始めてからは、なるべく若く、早く世界一になりたいと思ってはいましたが、何か行動したかと言われればそんなことはなかった。

当時は、車いすテニスを体験したらめちゃめちゃ楽しくて、ただただがむしゃらに乗り回していただけなんです。ただ、この7年間でいろんなことがありましたし、手術が終わってからまた抗がん剤治療を経験して、そこでも苦痛な日々…。今思えば、2度目の抗がん剤は本当に無理だなと思えるぐらいきつい9ヵ月間の治療でした。それを9歳、10歳で経験できたことは、確実に今の僕のメンタルの部分に直結していますし、どんなところからでも這い上がってやるというモチベーションにも繋がっていると思います。それがあったからこその今の自分なんだと。

闘病当時は正直、『なんで自分なんだろう』と何度も思いましたし、サッカーをしていた少年が一気に何もできなくなって、日常生活すらまともに過ごせなかった。そこからサッカーとは別のスポーツを始めて、一人の選手としてスポーツの世界に戻ってこれたことは全く当たり前なことではないと思いますし、そこに関してはとても幸せな事だと実感しながら頑張らないといけない。

世の中には、自分と同じように10代で骨肉腫になって、これからどうしようと思っている子もいると思うが、その子たちは、僕の試合やニュースを見てくれていると信じて、いろんな発言をさせてもらっている。“夢を見る”側から“夢を与える”側になる為にも、もっと成長していきたいなと思っています」

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