close

2022.12.29

選手情報

16歳小田凱人、プロ転向や史上最年少での年間王者など激動の1年を振り返る「来季は恐怖、プレッシャーよりも楽しみ」[後編]

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存


―以前から憧れが国枝選手と言っていて、その存在感や影響を与えられる存在に近づきたいとしていました。思い描いている理想に近づけていますか?

「自分の人生のリスタートのきっかけになったのが国枝選手で、あの時(ロンドン五輪の決勝)見た国枝選手の衝撃は今でも忘れていません。国枝選手のサーブだったりバックハンドは本当にカッコいいなと思いましたが、何より自分は、存在感やオーラに惹かれました。

大きな人間力に衝撃を受け、そうなりたいと思わさせてくれたんです。これからも自分に厳しく、甘えずに、国枝さんを一人のライバルとして見られるように。それぐらい自分が無理をして言っていかないとなかなか追いつけないと思うくらい偉大な選手。近づけているとは思いますが、今でも尊敬しているし、自分はまだまだだなと感じるところも多いので、頑張らないとなと思っています。」

―日々成長している中で熊田浩也コーチや前田准谷トレーナーも帯同している。チームとしての成熟やサポートはどう感じていますか?

「今年は4月から熊田コーチ、夏ごろから前田トレーナーにも遠征に帯同してもらってという形で物凄く力強いですし、必要不可欠です。大会ごとにチーム力が高まっているなと感じているので感謝しかない。自分の夢を一緒に見てくれるような人たちがいるというところに、まずは感謝したいですし、それをプレーで恩返ししたいですね。

もちろん応援してくれる方々のためにというのもあるんですけど、2人がいなければ僕はプレーできていない。日常生活もそうですけど、感謝の気持ちを伝えられるような結果を残したい。これからもきっと長い時間を共有することになると思うので、より大きなチームになることを目指しています」

熊田浩也コーチとともに、「NEC車いすシングルスマスターズ」優勝トロフィーを手にする小田凱人(©Mathilde Dusol)
©Mathilde Dusol

―現在、熊田コーチと取り組んでいることは何でしょうか。

「自分のやるべきことというのは重点的に目標を置いて練習していますし、自分の速い展開、攻撃的なショットに磨きをかけていっています。来年からは研究されて、いろんなこともやりたいようにできなくなると思うので、その対策を練りながらという感じです。新たに自分の武器になるであろうショットも徐々にできあがっているところなので、そういうところは熊田コーチと案を出しながら練習しているという形です」

―フィジカル面でも変化はありましたか?

「自分はまだ成長段階なのでまんべんなくというか、右足は使えるのでそこのトレーニングをしています。左足が使えない分、右足で重心をコントロールしているので。あと体幹はものすごく重要。海外の選手と比べればガリガリですし、同じコートに立てば厚みだったり太さは及んでいないですけど、車いすテニスはパワーだけじゃないということは体現したい。

筋肉を大きくするだけではなくて、自分の体の武器である柔軟性、スイングスピードの速さというところでは、フィジカル的に大きくし過ぎると柔軟性や俊敏性、速いスイングができなかったりというのも出てくるので、そういうところは相談しながらトレーニングしています。海外の選手であれば骨格が違うので大きい体の方がいいのかもしれないですけど、僕の武器はそこではないと思っています」

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ