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2023.04.24

選手情報

グランドスラムJr.ダブルスで2冠!ナダルアカデミーの秘蔵っ子、コールマン・ウォンに聞くジュニアとプロの大きな違い「ナダルはプレッシャーの扱い方が違う」

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ナダルアカデミーの秘蔵っ子が語るジュニアとプロの違い「ラファとプレーするのは特別」


2021年の全米オープンジュニアのダブルスと2022年の全豪オープンダブルスで優勝した香港出身のコールマン・ウォン。今年プロ転向を果たし、現在はスペインのラファ・ナダルアカデミーに在籍している。ジュニア時代は基本的に香港を拠点としながら活動しており、今回はジュニア時代から香港においてコールマン・ウォンの活躍に注目してきた筆者が、ジュニアとプロの違い、プロとして成功するために必要なメンタル面の要素などをインタビューした。

【動画】偉大なレジェンド、ラファエル・ナダルと練習するコールマン・ウォン

身長191センチ、体重80キロとアジア人としては非常に恵まれた体格の持ち主であるコールマン・ウォン。だが、それ以上に彼のテニスへの情熱や姿勢からプロとして活躍する選手として十分な資質をうかがわせる。

2018年に世界中のトップジュニアが出場するジュニアオレンジボウル14歳以下シングルス で優勝すると、翌年には15歳の時点でプロを含めた多くの選手が出場する香港の「CRCオープン」でタイトルを獲得。その後、2021年の全米オープンジュニア、2022年の全豪オープンジュニアのダブルスで優勝し、着実にステップアップを刻んで、ジュニア時代にはITFランキングで最高11位となっている。以下、コールマン・ウォンへのインタビューである。


2022年全豪オープンJr.ではブルーノ・クズハラ(アメリカ/写真右)とのコンビでグランドスラムジュニアで2つ目のタイトルを獲得したコールマン・ウォン(写真=田沼武男 Photo by Takeo Tanuma)

――何歳の時にどのようにテニスを始めましたか?

5歳の時にビクトリアパーク(※香港において国際試合も開催される最も有名なテニスコート)でテニスをしたのが最初です。姉のエレーナがテニスをしていたのですが、彼女が風邪で練習に出られず代わりに参加したのがきっかけでした。その際とても楽しかったのでその後もテニスを続けることにしました。

――現在、ラファ・ナダルアカデミーに在籍していらっしゃいますね。アカデミーでの一日のスケジュールを教えてください。

試合がない日の一日のスケジュールはこのような感じですね。

8時~10時45分:テニス
軽食
11時~13時:ジムでフィットネス
ランチ
15時半~17時:テニス

その後はリカバリーのためにフィジオやストレッチング、アイスバスなどを利用します。

毎日長いトレーニングを行いますが、とても楽しんでいます。テニスが好きですし戦うことが大好きなのでトレーニングも苦になりません。

――スペインに拠点を移してから最も大きなチャレンジはどのようなことでしたか?

ずっとハードコートで練習していたので、当初はクレーコートに適応するのがとても難しかったです。(※香港ではハードコートが主流でクレーコートを使える場所は非常に限られている)

今、戦っている相手選手の多くは幼いころからクレーコートに慣れているプレーヤーばかりです。彼らは正しいタイミングで何をすべきかを把握しています。多くの時間を使って、彼らと戦えるように練習していますが、昨年は正直あまり良かったとは言えません。

とはいえ、クレーコートでの戦い方を覚えることは僕にとっても非常に大切なのでもっとうまくできるように日々努力しています。

――ハードコートとクレーコートの大きな違いを教えてください。

ハードコートよりクレーコートではボールの速度が落ちるので、よりラリーが長くなります。その分、弱点を見抜かれやすいんですね。長いラリーの中でコントロールを失ってしまったり、忍耐強くいることが難しいものです。ハードコートではサーブから1回か2回のショットでポイントにつながりますが、クレーコートではそうはいかない。長いラリーの中でいかにミスをせずかつ的確に攻める必要があります。(※コールマンはフォアハンドの強打が非常に得意なプレーヤー)

――好きなショットやポイントの取り方を教えてください。

サーブ側の時は、サーブでポイントを狙うのが好きですね。リターンの時はフォアハンドを起点にポイントを組み立てます。インサイドアウト等を使ってフォアハンドを中心に攻めます。また、ネットに出てポイントを取るプレーも好きです。

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