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2023.10.01

選手情報

期待のジュニア 木下晴結を指導する奥田裕介氏、トップランカーとの違いは「いかに早い段階でカムバックできるか」

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――強い選手が出てきたということがあると思いますが、奥田コーチは海外遠征に帯同することを意識していたのでしょうか。

大阪で勤めていたテニスクラブに世界を転戦するプロが在籍していました。当時、世界のテニスの仕組みを知らなかった僕は、「この人たちはどんな生活をして、どんな試合に出場しているのだろう」ともっと世界のテニスのことを知りたいという思いが湧いてきました。会社を退社後、縁があり海外にチャレンジしたいという選手と貯めた貯金をほとんど使ってITFジュニアを回り始めました。アジアが中心でしたが、ITFジュニアの仕組み、ツアーコーチとは?を理解することができました。その後も縁があり男子ツアーも何度か経験し知れたのは大きいですね。
   
――ツアーでのご苦労もあったかと思います。

今のようにスマホがあったわけではなかったので一通りのトラブルは経験済みです(笑) でも、その時代を経験できたこともまた良かったと思います。と、同時に8年前、1面でスタートした「LYNX Tennis Academy」も2面となり、クラブハウスも建って今では次世代達が日々、頑張っています。

――ツアーに出て活躍してみたいという場所が近くにあるのは求めている人には嬉しいですね。

ツアーの現場を知っているコーチや、世界テニスの仕組みを知っているコーチは、特に関西では少ないと思います。それだけがすべてではないのですが、いろんな選択肢を子供達に与えられる場を提供したいと思っています。

――遠征から帰って練習に取り組む際に、変化を取り入れることはありますか。

振りきるスイングを意識しています。ボールが入る入らないに関わらずですね。ハードコートですが、ベースラインから1~2m下がった所からのラリー、球出しの練習を取り入れています。繋げるボールでもしっかりスピンをかけて、相手をコートから追い出したりと、単純に動かすだけではなく、苦しい局面でどうするかを練習で取り組んでいます。その意識を持たせるというのが特徴だと思います。

――ポジティブな雰囲気ですね。

もっとやろうよ、自分からアクションを起こさないとチャンスは引き寄せられないよと。同じボールで同じコートの規格でやっていますが、世界がこうだからと押しつけないようにしています。個性を活かしてアドバイスしているのでフォームやテニスの特徴もみんなバラバラです。個人的には関西のテニス界を盛り上げていきたいですね。必要な方がいらっしゃれば情報を共有し、選手間やクラブ間の風通しを良くしたいですね。

――日本のテニスファン、ジュニアに一言お願いします。

日本人のテニスは世界で通用する可能性があると思います。しかし、やっぱり厳しい世界です。本当にあと1点を取らせてくれません。世界で戦うために、想像で話しているより島国である日本を出て直接肌で感じることが選手はもちろんのこと、コーチも大事だと思います。

ぜひ直接見て、受けて、対戦して感じて欲しいですね。国内外問わず、ランキングは関係ありません。ランキング下位の選手でも一切手は抜けません。晴結といつも言っているのは、どんな選手と対戦してもチャレンジする事を忘れず、どんな選手から声をかけてもらっても練習しようよと言っています。選手は、どんな環境、場所、プレーヤーにも対応出来る「対応力」とその「準備」をしておかないといけません。

――お忙しいところ貴重なお話をありがとうございます。

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