――潜在的なものが引き上がっていく感覚があり、本物と対面する機会の緊張感も伝わってきました。さて、昔から親交もある松岡修造さんについて、情熱や熱意を前面に出して行く姿勢に共通しているところを感じます。「一番尊敬する人と聞かれたら絶対に“松岡修造”と答えています。親友でもありますが、誰に聞かれてもそう答えています。まだ彼が選手としてサテライトでヨーロッパを回っていた頃のことです。イギリスの私のところに泊まっていたことが何度もあり、まだお金も稼げていない時に私の部屋から試合会場に向かっていました。その時の彼のテニスに対する姿勢は素晴らしいものがあった。食べ物や身体に関することなども含めた選手時代のことも尊敬していますし、今は日本にあれだけ元気を与えてくれる人っていないのではないでしょうか。日本を熱くしてくれる彼の存在というものが、私の身近に居てくれるということが私の人生と柳川高校を変えてくれたと思っています。修造くんが日本をこんなに明るくしてくれているみたいに、私は日本の教育界を明るくしたいと思っているんだ、という話をしたことがあります」

2023年柳川高校にて対談時の写真
――「国際男子オープンテニス2024年柳川」やクラウドファンディングでスタッフ65名の「国際テニス大会オリジナルユニフォームを作りたい!」プロジェクトなどでは高校生が自立し、実現を目指しました。「実は高校でITFの大会をやるのは世界で初めてだ、というお話をITFからいただいたんです。柳川高校のスピリットとしては、いろんなことをやるのに『世界初』か『日本初』しかやらないと私は先生たちに言っています。そうすることで生徒も先生も自分たちで考えてクリエイティブになるからです。これが今の日本の教育にとっては大切だと思ってITFの大会をやると決めました。また、柳川高校はテニス界の大勢のみなさまからご支援をいただいて、今があります。その中で何か貢献ができないものだろうか、と常々思っていました。日本の選手が世界に出る足がかりとして、M15の大会が日本になかなかないんだといいます。これからプロを目指していく上で、ポイント獲得の大切さというのを知っておく必要がある。正直、高校が主催するので(ITFの)ジュニア大会を、というお話もあったのですが、プロを目指す最初の段階の大会を誘致しよう!ということで『テニス界への貢献』を目的としてプロの大会を開催しました」
――ITF大会を高校生が運営するという画期的な大会であり、高校にプロが来て生で選手のプレーや立ち振る舞いを見て体感できる。素晴らしい『教育』だと思います。「せっかく高校が主催するのであれば、大人が運営するのではなく生徒たちでやる、トーナメントディレクターも高校生が担当する、ここもテニスという枠にとらわれず、”個”を育てる、クリエイティブであるといったような教育目的に沿って進めたプロジェクトです」
――古賀校長は「テニス人」でありながら「絶校長」としてその活動が多岐に及んでいますが、トラブルもあるかと想像します。その際、どういう視点で対応されているのでしょうか。「私は『トラブル最高!』と。これは常に言っています。自分自身の経験でもそうですが、何もないより、何か起こった時の方が解決する力が育つと思います。もちろん(トラブルは)嫌ですよ。嫌ですけどね。学校生活の中で当然いろんなトラブルというのはあるのですが、そのケースはさまざま。ミスもあれば、ボタンの掛け違えのようなものから、良かれと思ったことが違うなど。その度にいつも新鮮に、そこに120%の想いを込めて取り組んでいます。小手先でやってしまうと問題解決には至らないですから」