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2020.08.24

デイリートピックス

NY便り「【単独ルポ後編】現役WTAツアー選手を育てた日本人コーチが語るコロナ対策と強くなる選手の特徴」

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WTAランキング90位のクリスティーナ・マクヘール(アメリカ)や同97位のクリスティー・アン(アメリカ)らツアー選手を育てた豊富な指導経験だけでなく、人種の分け隔てなくテニスを通じた「人材育成」を目指している「INFINITY FUTURE TENNIS ACADEMY(以下IFTA)」代表の奥田達己氏に前編に引き続き、話しを伺った。

NY便り「【単独ルポ前編】現役WTAツアー選手を育てた日本人コーチが語るコロナ対策と強くなる選手の特徴」

地道な基本練習こそ
成長への近道

近年、ニュージャージー州ではATPなどツアーを回っていた選手がコーチとして独立する例が多く、生徒側も複数のクラブを掛け持ち。個人レッスンで別のコーチをつけるというケースがよくあるという。元選手であるコーチが打つボールのすごさに生徒は魅了される。
自分でコーチを選べるという点で選択肢は広がったわけだが、本質的な子供たちの成長を目指している指導者からすると、ズレを感じるところもあるようだ。


練習前半は基本練習の繰り返し

それというのも、そういった元プロたちのレッスンは派手なもの重視で、基礎がないがしろにされがちだからだ。現実を見ると、ヨーロッパ各地を回り、ツアーの試合後にコーチから「手投げのボール」で指導を受ける選手を目の当たりにする。プロでもそういった基礎を大事にしている。だからこそ、奥田氏も成長への近道である基礎練習に多くの時間を割くことを心がけているという。

アメリカのテニスキャンプは、まだ選手として一人立ちできないレベルのジュニアが多く、年齢層には「お楽しみ」の時間帯を増やす傾向にある。エンターテインメント化することで、生徒をつなぎとめ、クラブが経営的に潤うことを優先しているわけだ。


指導は技術的なことだけでなくトレーニング内容など細部にわたる

一方でIFTAは、基本練習の積み重ねを重視する。年齢や性別、レベルに関係なく基本練習を徹底する雰囲気作りは、スタッフに成功したアカデミー卒業生がいて、その重要性を伝えていることも大きい。実際、見学していても、IFTAのコーチ、ジュニア全員が黙々と練習していて、他のクラブではない差別化を感じる。着実な成長に向けて地道な取り組みをしているという印象が強くあった。


練習開始前に当日行う内容の確認

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)

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