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2020.08.24

デイリートピックス

NY便り「【単独ルポ後編】現役WTAツアー選手を育てた日本人コーチが語るコロナ対策と強くなる選手の特徴」

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強くなる選手の特徴
そして、可能性の引き出し方

「INFINITY FUTURE TENNIS ACADEMY 」――
無限の未来を立ち上げるにあたり奥田代表の想いは「いかに本当のテニスの楽しさを知ってもらうか」だと言う。これまでの経験から<強くなる選手の特徴>を教えていただいた。
★我慢強い
★飽きずにできる
★積み重ねが一番

いたってシンプルな答えだが、これまで選手として強くなっていった共通点として最大の特徴とも言えるところが、「相手に関係なくテニスする」ということだったという。
ジュニア選手の中には、相手が自分より強いと萎縮するタイプや自分より弱い選手だと見下したりする選手が見られる。相手が誰かということは関係なく、純粋に「テニスが好きか」ということでプレーする選手は可能性があるというわけだ。
筆者も経験があるが、確かに親の価値観に影響されている選手ほど、成長に悩むケースが多い気がする。


準備体操もコロナ対策で距離を開けて行う

冒頭で語ったとおり、2016年のジャパンウイメンズオープンでツアー初優勝を飾り、自己最高ランキング24位のマクヘールは、同クラブの卒業生である。彼女のジュニア時代は、ポイントゲームをやっては負け、トップコートから一番下のコートまで落ちたとしても自分の課題をやり通すことに懸命で、そのために負け続けることを恐れなかったというエピソードを教えていただいた。

当時は週5回の練習にコミットしないと入会をお断りしていたそうだが、時代も変化し、多様化を受け入れている。多数の将来有望な選手を抱えていた当時、「たまたまみんなの練習場となっていた」(奥田代表)と謙遜するが、この基本練習と走り込みの多さは確実に選手たちの自信となるはずと想像できる。


選手それぞれが持つ無限の可能性を引き出すため誰にでも真剣に向き合う

自分が関わった選手がグランドスラムに出ていることやツアーを回っている現実とは別に、どの子供にも持っている「無限の可能性」を引き出すことを念頭にプログラムは進む。
多くの人々の目に触れる華やかな表舞台の一方で、同クラブでは走れないジュニアにも光るショットを見つけては褒め、その可能性を否定しない。過去に在籍していた選手からは「Tatsumi(奥田氏)は甘くなった」と言われることもあり、「もっと厳しくしてほしい」と言われるそうだ。

しかし、奥田氏は「どの手段を使うと一番伸びるか」というところにフォーカスし、現在の指導法に行き着いたという。
「子供は何でも分かっている。指導者が真剣に向き合っていれば、それを感じてくれる」(奥田氏)とした上で、指導者が本気で伝えようとしていると子供たちの聞き方、態度も変わってくるという。一方、「名前に弱いところがあるから、時にアン選手やマクヘール選手を引き合いに出して説明すると伝わることもある(笑)」と冗談半分で教えてもらった。

「素晴らしい可能性を伸ばす」
奥田氏の子供達への未来を見る目は練習の厳しさとは別に優しさと愛情で溢れている。そう感じた今回の取材だった。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)

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