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2020.09.01

大会情報

NY便り号外<USオープン開幕!>「無冠の第1シード&マッチ・オブ・ザ・デイ」

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全仏オープンの延期、ウィンブルドン中止など未曾有の事態となった2020年。それでも8月に入り、新型コロナウイルスの対策をとった中、多くのテニスファンにとって待ち望んだツアーが再開。全豪オープン以来、約7ヵ月ぶりとなるグランドスラム「USオープン」も帰ってきた!

開幕初日、USオープンのセンターコート、アーサー・アッシュ・スタジアムのオープニングマッチに登場したのが、女子シングルスの第1シード、カロリーナ・プリシコワ(チェコ)だ。

プリシコワは、ファーストサーブ時のポイント獲得率(83%)やリターン時のポイント獲得率(63%)が試合を通じて高いクオリティーを見せ、アンへリーナ・カリーニナ(ウクライナ)を6-4、6-0、1時間3分で退けた。
試合後のインタビューでは、マスクを着用して対応。「他の選手たちより1時間遅い12時にスタートできたこと(他コートの試合開始は11時)は、自分にとって良かった。ナーバスになっていたが、この5ヵ月のブランクも少しずつ良くなっていった」とコメントし、グランドスラムでの勝利を喜んだ。



さらに、インタビュアーの「(バブル内での生活のため)マンハッタンでのショッピングに行けないのは残念では?」という問いには、「ショッピングはオンラインでやるわ(笑)」とコメント。さらっと答え、リラックスした中にも、優勝を目的にニューヨークに来たことを感じさせる。これまでグランドスラムを1度も制したことのないNo.1シードの発言に油断はなく、静かに優勝への闘志を感じさせた。

そして、大会初日のマッチ・オブ・ザ・デイが、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とケビン・アンダーソン(南アフリカ)の試合。

第5シード、世界ランク7位のズベレフは今年の全豪オープンでベスト4入りし、グランドスラム自己最高となる成績を見せた。その才能は誰もが認めるところである。
一方のアンダーソンは、2017年のUSオープンでナダルに敗れたものの準優勝。昨年は怪我のため同大会を欠場し、現在の世界ランキングは117位のベテランだ。
どちらもサーブを得意とし、サービスキープ率は高い。いかにサービスゲームを破るかがカギとなった。

試合序盤こそ、互いにけん制しあうように短いラリーだったが、互いに1度ずつブレークするとタイブレークに突入。ズベレフは、ボディーサーブを有効に使い、自らのサーブポイントでラリーに持ち込ませずセットを獲得した。
第2セットこそアンダーソンに奪われたが、第3、4セットでは相手のファーストサーブの確率が下がったことで、ラリー戦を制し2度のブレークに成功。前哨戦「ウエスタン&サザン・オープン」のアンディ・マレー(イギリス)戦で多かったダブルスフォールトも6つに抑え、勝利に結びつけた。

試合後、ズベレフは「ケビン(・アンダーソン)は、いつもの1回戦では対戦しない相手。4回戦や準々決勝、準決勝で対戦する相手だからこそ、勝ち切れて本当にうれしい」とコメント。立ちはだかったアンダーソンを称えつつも、大きな1勝を喜んだ。
次戦の相手は、アメリカの新星、ブランドン・ナカシマとなっている。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)