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2020.09.02

大会情報

西岡良仁が“BIG4”マレーに惜敗…&日本人結果<USオープン2日目>

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9月1日、USオープン2日目が行われ、男女シングルス1回戦に日本人選手6名が出場した。

中でも印象的だったのは、やはり西岡良仁選手(ミキハウス)とアンディ・マレー(イギリス)との対戦だろう。
序盤、マレーのファーストサーブの不調を見逃さず攻守の切り替えを速くすると先にブレーク。第1セットを先取した勢いのまま、第2セット第1ゲーム30‐30では、マレーに左右へ振られた中で守りつつ、バックハンドのストレートで一気に攻撃へ。ブレークに成功すると、第2セットも奪った。

この2セットは、セカンドサーブでは、マレーに踏み込まれて打ち込まれないようにワイドやセンター、そしてボディーへ的を絞らせない配球をした。マレーのオフェンスに見事に対応し、得意のバックハンドのカウンターやジャックナイフを見た現地解説者達からは、「リオス」(チリの元世界1位の選手)の名が出るほどだった。西岡選手が思い描いていた通りのプレーができたに違いない。

しかし、相手はケガ明けとはいえフェデラーやナダル、ジョコビッチらとしのぎを削ってきた“BIG4”の一角。
試合前半はコントロール性を欠いていたフォアハンドも要所で角度つけた正確なショットやスピードで勝負。試合後に西岡選手は「後半のほうがマレーの粘り強さが光っていた。僕がいいプレーをできなかったし、消極的な部分が多くなってしまった」と言うように、前半見られた西岡選手の多彩な攻撃が徐々に見られなくなってしまった。
その後、一進一退の展開となった試合は、2度のタイブレークを奪われ最終セットへ。最後は西岡が自分のサーブゲームを落とし、ゲームセット。6‐4、6‐4、6‐7(5)、6‐7(4)、4‐6の4時間39分の熱戦で約6ヵ月ぶりとなるツアー再開初戦を終えた。

そのセンスは動きの良さが光る試合だっただけに、全体的には西岡の優位性が際立つ内容だっただけに本人が一番悔しかったと思う。
それでも西岡選手は「マレーに対して物怖じすることなく、しっかり勝とうと思ってプレーできたのはいい結果だった。勝てはしなかったが、本当に紙一重みたいな試合だったと思う。それは自分をほめたいし、ヨーロッパ(の大会)につながるいい試合だった」と、次の大会へ目を向けた。



一方のマレーは、「第3セットを取ったときに、逆転できると感じた。少しずつポイントをコントロールできるようになり、試合勝つためのプレーがわかってきたような気がした」と、西岡選手とラリーを重ねることで徐々に調子が上がったとコメント。「彼はとてもいい選手。もちろんランキングがいい選手にも勝っているし、難しいと思っていた。(実際に試合をしてみると)彼はトリッキーな試合をするんだ。相手にするのは簡単ではなかった」と、西岡選手のプレーを認めた。

大会2日目には、西岡のほか5人の日本人選手が出場したが、2回戦に進む選手は現れず。それでも、無観客とはいえ久しぶりのグランドスラムの舞台で戦えたことは今後に向けて、良い実戦を積めたことだろう。次のグランドスラム、全仏オープンでさらなる活躍を期待したい。

大会2日目の日本人選手の結果一覧
<男子>
西岡良仁(ミキハウス)vs.アンディ・マレー(イギリス) 6‐4、6‐4、6‐7(5)、6‐7(4)、4‐6
ダニエル太郎(エイブル)vs.グレゴワール・バレール(フランス) 3‐6、4‐6、6‐3、1‐6
添田豪(GODAI)vs.マッテオ・ベレッティーニ(イタリア) 6(5)‐7、1-6、4-6
杉田祐一(三菱電機)vs.ウーゴ・アンベール(フランス) 3‐6、4‐6、3‐6

<女子>
日比野菜緒(ブラス)vs.ガルビネ・ムグルザ(スペイン) 4‐6、4‐6
奈良くるみ(安藤証券)vs.パトリシア・マリア・ティグ(ルーマニア) 1‐6、0‐6

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)