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2020.09.05

大会情報

大坂なおみが18歳の挑戦跳ねのけ、メンタル崩壊寸前から勝利!<USオープン5日目>

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4回戦進出した大坂なおみ (c)Simon Bruty/USTA

USオープン5日目が、9月4日行われ、第4シードの大坂なおみ(日清食品)が世界ランキング137位、18歳のマルタ・コスチュクと対戦。2時間33分の激闘の末、勝利を手にし4回戦進出を決めた。

コスチュクは2018年の全豪オープンでグランドスラムデビュー。同大会でマルチナ・ヒンギス氏以来となる15歳で3回戦まで進出し、天才少女として世界の注目を浴びた。今大会では、1回戦で同70位のダリア・カサトキナ(ロシア)、2回戦で同45位のアナスタシア・セバストワ(ラトビア)ら格上の選手を破っている。


格上を相手に勝ち上がったマルタ・コスチュ (c)Andrew Ong/USTA

その相手との第1セット、攻撃的なコスチュクのストロークを粘り強くつなぎ、我慢の展開が続いたがワンチャンスをものにした大坂が先取する。
しかし、第2セット第4ゲームのコスチュクのサーブで6本のブレークポイントを取れなかった大坂。流れがコスチュクに傾き、ファーストサーブの確率が40%台となり、セカンドサーブで前に入られ、叩かれるシーンが多く見られた。それでも4-5となった場面でコスチュクのサーブのブレークに成功しタイブレークに持ち込む。
そのタイブレークでは、コスチュクが果敢にネットプレーに出て、アグレッシブな攻撃。大坂は4連続でポイントを失い、たまらずラケットを投げてしまう。両者とも感情のアップダウンが見られる中、コスチュクがタイブレークを制し、セットカウント1-1のイーブンに。

(c)Mike Lawrence/USTA
(c)Mike Lawrence/USTA

コスチュクに傾きかけた勢いだったが、ここで大坂は冷静に。ファイナルセットで先にサーブをブレークし、その後はファーストサーブの確率を上げてリズムを取り戻した。結局、2度のコスチュクのサーブのブレークに成功。アグレッシブな挑戦者を突き放し、6-3 (4)、6-7、6-2で勝利した。

最終セットの序盤までコスチュクのペースだった試合。
インタビューで答えた大坂は、「タフな試合で途中はノーアイディアだった。彼女は若く私の方が経験があり幸運だった」とし、コスチュクとの差はわずかだとし、相手の将来性を認めた。第2セットでセットを失ったあと、どうやってメンタル的に戻ってきたかと問われた大坂は、「先のことばかり心配していたので、今にフォーカスし直した」とクロスゲームでの自身のことについて答えた。

敗れたコスチュクだが、アメリカのコメンテーターからは18歳の若き希望への可能性を感じるコメントが相次いだ。メンタル面での改善は望まれるが、将来が楽しみな存在だ。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)