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2020.09.10

大会情報

ティエムが自慢の攻撃力でデミノーを圧倒!<USオープン10日目>

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(c)Pete Staples/USTA

ドミニク・ティエム(オーストリア/第2シード)
6-1 6-2 6-4
アレックス・デミノー(オーストラリア/第21シード)

2017年のUSオープンで、両者は対決。すでにトップ10にいたティエムが24歳で、18歳だったデミノーの世界ランキングは186位だった。その時は、ティエムがストレートで勝利。格の違いを見せつけた形となった。
あれから3年。ティエムの攻撃力、そしてデミノーの守備力がどのようなスコアを生むのか注目された。

第1セット、強烈なバックハンドで自らの攻撃のリズムを作るティエムとは対照的に、デミノーは守備の時間が長く、攻撃させてもらえない。第3ゲームでブレークはしたものの、デミノーは3つのブレークを許してしまう。攻守が入れ替わる激しいラリーもあったが、要所を抑えたティエム。そのプレーはさすがと言うべきものだ。結果6-1、わずか40分でファーストセットを終えた。
第2セット、デミノーがこの試合、初めてサーブキープをしたが、2−2で迎えた自身のサーブを40-0から5本連続でポイントを奪われて、先にブレークされてしまう。さらに次のサービスゲームも落として2-5。ティエムが6−2とし、2セットアップとした。

デミノーにとってあとがない第3セット。積極的にネットへ出ていくが、ティエムも強固なディフェンスを見せる。印象的だったのは、お互いに声が出て、気持ちのこもったプレーを続けたこと。そんな中、4-3の場面では、デミノー がティエムの放ったドロップボレーをギリギリで拾って、パッシングショット。ビッグプレーで流れを引き寄せたかに見えたが、2度のデュースの末にティエムがかろうじてキープする。チャンスを逃したデミノーは、次ゲームでブレークされてしまい、最後はティエムが自身のサービスゲームをきっちり守り、ストレートでデミナーを破った。

(c)Pete Staples/USTA
アレックス・デミノー (c)Pete Staples/USTA

試合後、ティエムは「第1、2セットとも良くて簡単に思えたけど、第3セットで彼はカムバックしてきた。3−4の15−30で長いラリーを取れたのは大きかった。それまでブレークしたり、されたりだったけど、エネルギーが戻ってきたよ」と試合を振り返った。

これでベスト4を決めたティエム。今大会にはフェデラーやナダルが欠場。ジョコビッチは残念な形で姿を消したことに触れて、「ダニール(・メドベデフ)、サーシャ(ズベレフ)、パブロ(・カレーニョ・ブスタ)の素晴らしい3人が残っているじゃないか」とコメント。誰が勝ってもグランドスラム初優勝を遂げることになる。“次のテニス界は僕らが引っ張る”と言うような感じだろう。

インタビューの最後にはアメリカならではのジョークも含め、「グランドスラムでミックスダブルスを組むなら誰と組みたいか?」との質問も。ティエムは少し笑みを含んで悩んでいる様子を見せたが、「セリーナ」と無難?に答え会場を後にした。

ここまで危なげなく勝利を重ねてきたティエムの次の相手は、準決勝までセットを落とすことなく勝ち上がってきたメドベデフ。ティエムは「彼は“BIG3”に迫るレベルがある。いいパフォーマンスを4、5時間、6時間と続けることができるんだ。それは本当に難しいこと」と警戒したが、「楽しみだ。ファンがいなくても大きな舞台になる。素晴らしい試合になる」と、大一番の戦いを楽しみにした。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)