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2020.10.07

ギア情報

フェデラーも強力プッシュ!! 地球のため、テニスのために進める“小さなこと”

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年間4億球が消費されるボール…
テニスの環境問題をどうするべきか?

【テニスは環境に悪いスポーツである。】

残念ながら、それは真実だ。多くの企業が声高にPRしているリサイクルやサステナビリティ(持続可能性)といった言葉は、テニス界ではほとんど見かけない。捨てられたラケットがどんな運命を辿るか? 捨てたストリングは燃やせば問題なしか? ボールはどうなるのか? 地球環境悪化行動禁止法なんて法律ができたら、テニスは真っ先に禁止スポーツに指定されるかもしれない。

地球のため、テニスのために進める“小さなこと”とは




地球温暖化の原因と言われるのが、二酸化炭素濃度。温室効果ガス世界資料センターのデータによると、1990年に350ppmだった地球全体の二酸化炭素濃度は、2000年には370ppm弱に、2010年には390ppm弱に、2020年7月には407.8ppmと増加傾向が止まっていない。その数値がどれだけ深刻なものかの理解は簡単ではないが、増加速度は驚くべきものだ。全国地球温暖化防止活動推進センターの最新発表によると、1880年〜2012年で地球の平均気温は0.85℃上昇しているという。そもそも温暖化によってどんな影響があるのか? 「海水増加による海水面上昇」「動植物の減少」「気候変動」「病気(伝染病)の流行」「食料減少」という可能性がある。あのウイルスも温暖化の影響なのかもしれないわけだ。


<どうにかしなければならない>
から生まれた『TRINITI<トリニティ>』

すでに手遅れなのかもしれない。

それでも、ロジャー・フェデラーの言葉を借りれば、「万が一、別の惑星でも見つけることが出来ない限り、当面の間我々の住む惑星はたった1つだ。全ての生命体にとって、我々人間にとって、そして次世代にとって大切な地球を守っていかなければならないと思う」ということ。わずかなことでも、地球環境に寄与できることがあるなら、やらなければならない。他に選択肢はないのだ。ただ、残念ながら、日本の現状は、欧米に比べると深刻さが欠けていることは間違いない。




だからこそ、ウイルソンは動き始めているわけだ。最初に着手したのは「ボール」の問題だ。テニスになくてはならないわけだし、ウイルソンにとっても大きな売り上げがあるわけだから“作らない”わけにはいかない。データによると、テニスボールは全世界で年間1億2500万缶、4億球が廃棄されているのだという。プラスチックゴム量にして、なんと8,900万ポンド(約4万トン)。最先端の焼却場であれば、二酸化炭素を削減する試みがなされているが、世界的に見れば、もちろん少数派だ。



テニスボールが直接というわけではないが、それらが海に流れてしまう海洋プラスチックごみ問題もある。海に捨ててしまえば一見、我々の生活には関係なく見えるが、プラスチックを誤って食べた海洋生物(魚など)を経て、知らずの内に人間が体内に取り入れてしまっていることも報告されている。

わずかでもテニスボールのゴミを削減するために、ウイルソンが開発したのが“#地球環境を考えるボール”でおなじみ『TRINITI<トリニティ>』である。




ペット缶や金属缶でなく、リサイクルの紙パックにする。その紙パックでもプレーに支障がないように、ボール自体も、空気圧が減りにくく、柔らかで耐久性あるフェルトにする。そのクオリティーは、ATP、WTA、NCAA(全米大学体育協会)のプレーヤーが従来のものと相違ないと評価しているものである。フェデラーをはじめとする、プレーヤーたちもそのパフォーマンスには太鼓判を押している。日本でも個人レベルから使用が広がりつつあるし、神奈川の「小田急町田テニススクール」「小田急はたのテニスガーデン」、埼玉の「みんなのテニス」「レイムテニスセンター」「春野インドアステージ」では、すでにスクールでの使用が始まっている。言わばみんなテニスにおける地球防衛軍だと言える。

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