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2021.09.13

選手情報

国枝慎吾、通算46度目のグランドスラム優勝! 東京パラリンピックからの連戦に「うれしいというより疲れた」[USオープン]

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国枝慎吾、勝敗より1ポイントに集中「ゾーンに入ったような状態だった」

9月12日、USオープン車いすテニス男子シングルス決勝が行われ、東京パラリンピック金メダリストで第1シードの国枝慎吾(ユニクロ/世界ランク1位)が、第2シードのアルフィー・ヒュウェット(イギリス/同2位)を6-1、6-4で下し、2年連続通算8度目の優勝を果たした。グランドスラムでは通算46度目(うちダブルス21度)の優勝となった。

【動画】国枝慎吾、通算46度目のグランドスラムタイトル獲得! マッチハイライト

8月から9月にかけて行われた東京パラリンピックで2大会ぶり3度目のシングルス金メダルを獲得した国枝は、昨年の決勝戦と同じ、イギリスのヒュウェットと対戦。国枝は立ち上がりからワンショット毎に声を出し、12ポイントを連取して3-0とする。ここでヒュウェットがメディカルタイムアウトを取り、流れが止まってしまうかと思われたが国枝の勢いは止まらず。第1セットを6-1で先取する。

第2セットに入ってもブレークポイントを握られながらも要所を締めた国枝は、第2ゲームで奪ったリードを保って4-1とする。その後、徐々に調子を上げてきたヒュウェットがパワフルなショットを見せ、追いつかれて流れが傾きかけてしまったが、第9ゲームでフォアハンドウィナーを決めて良い形で自分のサービスゲームをキープすると、最後はヒュウェットにミスが出てブレークに成功。勝利が決まった瞬間、国枝は両手を突き上げ喜びを爆発させた。

試合後のインタビューでは、「回復しきれないほどの疲れがあった。今日は厳しいかなと思ったし、コーチも『体ヤバいと思ったら棄権しろよ』と言うぐらいだった」と、試合開始から12ポイント連続で取った勢いとは裏腹にフィジカル的には苦しみながら戦っていたことを打ち明けた国枝。

「勝ってうれしいというより疲れたなという気持ちが強い」と語ったものの、それもコートに入れば吹き飛んだ。「疲れも意識しなくなった。ゾーンに入ったような状態だったので、コートに入ったことでスイッチが入ったのかなと思う」とし、加えて「日本のサポーターの方々がたくさんいて、ポイント間で励ましてくれた。めちゃくちゃ力になりましたね。こんなに応援が力になるのかというぐらい、パラリンピックから含めて2週間すごく一番感じたこと。それだけ後押ししてくれた」と、8月下旬の東京パラリンピックからタフな2週間を振り返った。

「最大のライバルを倒してこそ真のチャンピオンだという気持ちもあった。それが体を動かしてくれたのかもしれない」と、3連敗を喫していたライバルのヒュウェットを下し、通算46度目のグランドスラム制覇を成し遂げた国枝。最後に「向こう2週間は何もしたくない。妻のごはんを食べたいですね」と会見を締めくくった。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma