年齢、性別、国籍、プロ、アマは関係ない!ジョコビッチやフェデラーと同じ土俵に立てるUTR7月21、22日、尾﨑里紗選手や加治遥選手、日比万葉選手、村松千裕選手らをサポートする株式会社グラムスリーが、「UTR Pro Match」(スポル品川大井町)で行った。
今大会は、ITFのツアー大会でもなければ、エキジビションマッチでもない。“UTR”と呼ばれるレーティングシステムで、世界における自分の実力を測るための公式の大会である。
多くの方にとって、“UTR(ユニバーサル・テニス・レーティング)”は聞きなじみのない言葉かもしれない。UTRとは、2008年にスタートした性別や年齢、国籍関係なく、トッププロからジュニア、一般プレーヤーまで取得できる統一のランキングシステムのこと。全世界180万人以上が登録。200ヵ国以上で使われ、ATPやWTA、ITF、テニスヨーロッパなども導入している。そのため、ロジャー・フェデラー(スイス)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、錦織圭(日清食品)らトッププロと同じ指標で自らの実力を測ることができるのだ。
<トッププレーヤーのUTR>ジョコビッチ:16.18フェデラー:16.02ナダル:16.17錦織圭:15.55大坂なおみ:13.36プレーヤーには1から16.5の数字の中でレーティングがつき、トッププロからジュニア、一般プレーヤーまで男女統一されたシステムとなっている。特徴は、単純な勝敗だけでレーティングが決まるわけではないということ。UTRは、過去12ヵ月で30試合のスコアや相手の強さ(レーティングの高さ)などから算出される。
※例えば、対戦相手が自分より高いUTRを持っており、UTR独自のシステムに3-6,3-6で負けると予想されているところ、4-6.4-6で負けた場合、レーティングは上昇する。
UTR公式サイトで、ジョコビッチは「UTRは、年齢やレベルに関係なく、他のすべてのプレーヤーに対して、自分自身を測定するための最良の方法」とコメント。また、グランドスラム18勝のマルチナ・ナブラチロワは、「UTRは、年齢も性別も国境も関係ない。まさにテニスの試合を平等にする」と、UTRの利点を述べている。
ファイナルセットでも強くなるためにUTRは絶好の機会少し前置きが長くなったが、なぜグラムスリーはUTRの大会を始めたのか? その理由を尾﨑選手のコーチを務める川原努氏は、「試合形式」だという。
「試合形式が1セットマッチや8ゲームプロセットでは、勢いとかで試合が決まってしまい、勝敗だけで評価が決まってしまいます。その点、UTRは(シングルスでは)1セットマッチが認められておらず、ショートゲーム(今大会では4ゲームマッチ)でも3セットマッチをやらないと評価にならない。もしプロになり、3セットマッチを戦わなければならない時に、ファイナルセットでも気持ちの部分でしっかりした選手にならないとツアーで勝ち残ることが難しいのです。テニスの質で圧倒できなくても『この選手と戦うのは嫌だな』と相手の心を壊せる、そういう選手にならないといけない」と、UTRの大会を開く意義を語った。
尾﨑選手のコーチを務める川原努氏