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2020.09.02

メーカーズボイス

バージョン13.0はどうなる!? 『プロスタッフ伝説』<歴史を刻んできた名器たち>

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そして、2004年にはバージョン5.0「n Six. One Tour 90(エヌシックスワンツアー90)」が発売となっている。その名前になつかしいと思う人もいるだろう。グラファイトファイバーの隙間をナノレベルのシリコン・オキサイドを埋めることで、ラケットのパワーを向上したナノテクノロジーを採用したモデルだ。




残念なことにこのラケットから3世代、プロスタッフの名前がモデル名からなくなる。それはある意味、“古き良き”を続けるのではなく、常に進化しようという積極的姿勢を見せた象徴的モデルだったと言えるだろう。2006年には「n Six. One Tour 90 Federer(エヌシックスワンツアー90フェデラー)」が限定本数発売に。同年、フェデラーとウイルソンは生涯契約を結んでいる。その記念に作られたモデルで、少しのパワーアップを図るために、フェイス部3時・9時部分のグロメットホールが広げる細工がなされている。また、このモデル以降からフレームにフェデラーのサインがプリントされることになった。


時代の流れに合わせて、プロスタッフも変化を遂げる。





2007年に発表されたバージョン6.0「[K] Six.One Tour 90(ケイファクター・シックスワン・ツアー90)」は、シリコン・オキサイドにカロファイト・ブラックを加えることで、更なる剛性、パワーを高めたモデルだった。そして、2010年にはバサルトファイバーを採用したバージョン7.0「Six. One Tour BLX 90(シックスワンツアー・ビーエルエックス90)」が発売に。同モデルはバサルトファイバーによって、衝撃・振動を抑制、その打球感からプロスタッフらしい"より良いフィーリング"を高めたモデルだった。








そして、再びPro Staffの名前を冠する時代に。
2012年バージョン8.0「Pro Staff Six. One 90(プロスタッフシックスワン90)」が発表される。これは前作で好評だったバサルトファイバーをグリップ内部にも採用することで、よりクリアな打球感にしたモデル。




さらに2013年にはバージョン9.0「Pro Staff 90(プロスタッフ90)」を発表。同モデルには、久しぶりにケブラーを採用。初代プロスタッフからの特徴である打球感を復活させた。
このモデルはプロスタッフにとって転換期のモデルとなる。初代から守ってきたフレーム厚17mm、85-90平方インチ、ボックス形状のフレームという特徴は同モデルで終了。さらにスピードアップが進んでいた現代テニスに対応するため、大きな進化を遂げることになる。


2014年モデルではスペックを大幅変更
そして2016年モデルにはフェデラーが参画



2014年、バージョン10.0「Pro Staff 97(プロスタッフ97)」が発売される。
このモデル以降、開発の大きく関わるのがフェデラーである。彼の要望、彼の参画で様々なプロトタイプが作られてテストを行い、最終的にレッド×ブラックの「Pro Staff RF97 Autograph(プロスタッフRF97オートグラフ)」を完成。その特徴を落とし込んだのが、同モデルである。まずフェース面積が97平方インチに拡大。フレーム形状はボックス形状とラウンド形状を組み合わせた50/50フレームとなり、フレーム厚は21.5mmに厚みを増した。これによりスイートエリアが拡大、パワーアップされ、面安定性も向上、いずれの部分でも進化を遂げた最高のモデルとなった。





そして2016年、フェデラーが共同開発者となってできたのが、「アンコンタミネイテッド・デザイン(=汚染されていないデザイン)」「タキシード・スタイル」を採用したブラック・イン・ブラック、バージョン11.0「Pro Staff 97」である。基本的には前作のスペックを受け継いでいるが、フェデラーはその質感までもこだわり、最新の塗装テクノロジー「VELVET PAINT(ベルベット・ペイント)」を採用している。

同モデルは、テニス界にとって衝撃的なモデルだった。だからこそ、他ブランドも後に影響されたデザインのモデルを多く出している。また、フェデラーの活躍も記しておくべきだろう。前年、故障のためにシーズン途中から休養に入ったものの、2017年は全豪、ウィンブルドンで優勝。翌2018年の全豪でも勝利している。




そして2018年、同じモデル名にてホワイトをあしらったバージョン12.0「Pro Staff 97 CV(プロスタッフ97 CV)」がリリースされる。同モデルもフェデラーが参画しており、フレックスが0.3ポイント柔らかくなるという微細な調整が行われた。

しかし、フェデラーがこのコスメを使用したのは半年足らずだった。2018年USオープンより、ブラック・イン・ブラックのモデルに戻している(中身は2018年モデル)。一見、バージョン11.0と同じに見えるが、実は「よりシンプルなアンコタミネイティッド・デザインにする」という本人の意向により、フレーム内側のスイス国旗が取り除かれるなど、さらに徹底的に「アンコンタミネイテッド・デザイン」にしたモデルだった。


ついに明らかとなったバージョン13.0の発売
名器の最新作はどんなモデルになるのか!?

そして、先日、2020-2021モデル「Pro Staff V13.0(プロスタッフバージョン13.0)」が9月末に発売となること、その全貌が9月15日に発売となることが、YouTube「Wison Tennis Japan」チャンネルの人気プログラム「WilsonTV Morning」で明らかになった。



最新モデルの特徴は一体どんなものか?
伝説のラケットの歴史に加わる<最新作>、その魅力とは!?
その発表、発売に注目が集まる。


次回(2020/9/9更新)は「あの女王の新ラケットがベールを脱ぐ!!」 乞うご期待!!

★[Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]
https://wwm.tennisclassic.jp/archive/backnumber/index.html


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