USオープン3日目にして、第1シードの明暗が分かれた。
まず、男子シングルスの第1シード、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、世界ランキング44位のカイル・エドムンド(イギリス)と対戦。6-7(5)、6-3、6-4、6-2で下し、昨年から続いている連勝記録を28に伸ばした。
序盤こそエドムンドのサーブとフォアハンドのコンビネーションに手を焼いたジョコビッチだったが、第2セット以降はエドムンドのサーブを攻略。相手のミスを引き出し勝利に結びつけた。
ジョコビッチのリターンは、アメリカの解説者の言葉を借りると「Hard to Keep(キープはタフだ)」。サーバーにとって常にプレッシャーを感じる状況を強いられる。加えて、どこに打っても返球される強固なディフェンスは健在で、タフなエドムンドの攻撃に耐えながらポイントを重ねた。
試合後のインタビューでジョコビッチは、エドムンドのことを「ファーストセットは彼が良いプレーだった。フォアハンドが良いのはわかっていたが、バックハンドもスペシャルで素晴らしい」とほめながらも、「セカンドセット以降、メンタルが肝だったが、リターンを中心に調子が戻り、サーブも良くなってきた。早い段階でブレークに成功し、リラックスしてプレーすることができた」とコメント。試合中、自らを鼓舞するように絶叫したことを問われると、「ファンは居ないけど応援してくれている。エナジーはオンコートにあるよ」と無観客でもプレーの情熱は変わらない姿勢を見せた。
インタビューが終わり近づいてきた頃、最後にジョコビッチ自身から言いたいことがあると、つい数分前まで試合をしていたファイターから父親の顔に変貌。「娘が今日3歳の誕生日なんだ!タラ I love you」とメッセージを送った。
試合中、アメリカのテレビ解説者が「彼(ジョコビッチ)が車ならどれだけギア(引き出し)があるんだ? 7か8ぐらい?」と、選択肢の多さに驚いていた。しかし、インタビューの最後に見せた家族への想いを語った姿は、切り替えの早い、彼の魅力の一つであり、インタビューまでの受け答えも素晴らしいものだった。
一方、女子シングルスでは波乱が起きた。第1シードのカロリーナ・プリシコワ(チェコ)が、キャロライン・ガルシア(フランス)に1-6、6-7(2)で敗戦。
ガルシアが積極的な攻めを見せ、試合序盤からゲームをコントロールする展開。プリシコワは数ゲーム経っても、サーブの調子が上がらず、単調なラリーでのミスが相次いでしまった。第1セットを落とし、あとがないプリシコワは、第2セットでもリードを許したが、なんとかタイブレークに持ち込むも時すでに遅し。ガルシアに押し切られ、2回戦敗退となった。
(c)Simon Bruty/USTA
日本人では女子シングルス2回戦に大坂なおみ(日清食品)が登場。カミラ・ジョルジ(イタリア)を6-1、6-2で下し、3回戦へ進出を決めた。
第1セット、ジョルジの強打に対し緩いボールで守りを固めた大坂は、ブレークポイントを握らせることなくセットを奪う。そのプレーは第2セットでもキープ。高い集中力を維持したまま、自身のミスを減らし勝利へ結びつけた。
(c)Brad Penner/USTA
また、同日にはダブルスもスタート。男子のマクラクラン勉(イカイ)とルーク・バンブリッジ(イギリス)のペアは、マッケンジー・マクドナルド(アメリカ)/クリストファー・ユーバンクス(アメリカ)に3-6、3-6のストレートで敗戦。
女子の二宮真琴(エディオン)/日比野菜緒(ブラス)は、アンナ・ブリンコワ(ロシア)/ベロニカ・クデルメトワ(ロシア)に4-6、7-5、4-6のフルセットで敗れた。
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