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2020.09.04

大会情報

NY便り号外「ライバル不在の中、虎視眈々と優勝を狙う選手の行方①」<USオープン4日目>

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(c)Darren Carroll/USTA

雨模様だった9月3日のアメリカ・ニューヨークでUSオープン4日目が行われた。

今大会、新型コロナウイルスの問題などで欠場したトップ選手がいる。男子では、前年覇者のラファエル・ナダル(スペイン)やロジャー・フェデラー(スイス)。それに女子でも世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)や同2位のシモーナ・ハレプ(ルーマニア)らトップ10のうち6名が欠場している。

そんな中、虎視眈々と優勝を狙っている選手の行方はどうなっているのだろうか、チェックしていきたい。

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★フィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ)

サーブ、ストロークが絶好調!

グランドスラマーも圧倒!!

先月20歳になったばかりの若手、フィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ)が、アンディ・マレー(イギリス)を圧倒。6-2、6-3、6-4で3回戦進出を決めた。マレーは、ブレークポイントすら握らせてもらえなかった。

ウィナーの数では、52本のオジェ・アリシアムに対して、マレーはわずか9本。その差は歴然だ。さらに、マレーの特徴でもある長いラリー戦でもオジェ・アリアシムが多くのポイントを奪っていた。

試合後、「2011年、チケットを買って、このスタジアムの上の方でアンディ・マレーの試合を観戦した」と思い出を語ったアリアシムは、「今日は初戦と違ってリズムもトスも良く、すべてがうまくいった」と自画自賛。(2セットアップから西岡の試合でカムバックしたマリーを意識したか?と聞かれ)「簡単ではなかったよ。常にリードすることを意識していた」と振り返った。

アメリカの解説者の中には、初戦の疲れの影響か? それともアリシアムが良かったのか? という話題が。今日のアリシアムの調子は手がつけられないほどのものだったという見方が大半だった。実際それほどエネルギッシュで見事なパフォーマンスだったと思う。

敗れたマレーは、「この2週間を振り返り、ズベレフと長い試合をした次の日も良いプレーができなかった。体調は悪くなかったが、また同じことが起きた。コンスタントに高いレベルのプレーをしないといけない。改善したい」とコメント。次戦については「ローマでプレーするのは早すぎる」とし、全仏オープン出場を目指す意向をしました。

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★ダニール・メドベデフ(ロシア)

1、2回戦共に

集中力を切らす事なく完勝


(c)Takeo Tanuma

昨年大会の準優勝者で世界ランキング5位、ダニール・メドベデフ(ロシア)。1回戦ではフェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)に1度もブレークを許さずに完勝。続く2回戦は、今大会が3度目のグランドスラム出場となるクリストファー・オコネル(オーストラリア、初戦ではラスロ・ジェレ(セルビア)に逆転勝ち)だ。


第1、2セットをブレークポイントも与えず奪ったメドベデフだったが、第3セットに入り降雨のため今大会初めて、屋根が閉まった中でのプレーとなった。その直後、オコネルは腰の違和感を覚えてメディカルタイムアウトを取る。その後、オコネルは粘を見せたが、メドベデフの壁は高く、6-3、6-2、6-4でメドベデフが勝利を手にした。

メドベデフは第3セット途中までファーストサーブで失ったポイントがわずか7、同じトスから打ち分けする技術は、相手からすれば読むのが非常に難しいのだろう。また、左右に振られ決まったかという局面でも、切り返す見せ場を数多く作った。オコネルが天を仰ぐシーンが印象的だった。

「1回戦が一昨日の夜遅くに終わったけど、今日はよいパフォーマンスだった」と試合後に語ったメドベデフ。前回大会との比較を聞かれ、「今年は無観客となってしまったが、この状況が早く変わってほしいね」と答え、コートを後にした。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)