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2018.09.28

メーカーズボイス

錦織 圭の<歴代モデル>は ウイルソンと歩んできた歴史である

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2010
TOUR BLX 95
全仏でジョコビッチ、ウィンブルドンでナダルと、
GSという大舞台でトップ選手との戦いを経験。



2011
TOUR BLX 95 ORANGE
デ杯日本チームの柱として全試合で勝利。
日本を27年ぶりとなるワールドグループ復帰へ導いた。



玄武岩からなる繊維、バサルト・ファイバーを用いたもので、パワーだけでなく、衝撃吸収性にも長けた素材を使用している。それがフィットしたということもあるのだろう。TOUR BLX 95、TOUR BLX 95 ORANGEを使用し、その間にランキングも40位台まで上げると、2012年楽天ジャパンオープンでツアー2勝目を果たしている。

ここまで紹介したラケットには実は共通点がある。それは「289gの重量+34.0cmのバランスポイント+22mm厚フレーム+95平方インチ」という<錦織スペック>と言われるものだ。ジュニア時代からプロ初期まで、ハンマー・バランスのラケットを使うことで、体格で勝る相手に打ち勝ってきたのである。

そして、錦織のラケットは新時代に突入する。
2011年秋より使用を始めた「STeam PRO」以降、ラケット作りは本社ラボにて一からオリジナルのものが作られることになる。同モデルの開発時に、錦織からあった要望は「打球時のフィーリングをもっとクリアに感じ取りたい」というもの。この要望に対しては、バサルト・ファイバーの配合量を増やすことで対応。本来年明けから使用する予定だったものが、試打をした際「すぐにでも使いたい」となり、秋からのデビューとなったという。ちなみに、同モデルを使用して臨んだ楽天ジャパンオープンでは2度目の優勝を果たしている。

2011〜2012
STeam PRO
新ラケットSTeam PROで臨んだ全豪オープンでG5初のベスト8入り。
楽天ジャパンオープンでは地元初優勝を飾った。



2013-2014
STeam 95
2014年は初のトップ10入り、USオープン準優勝、
そして年末ランキング5位と飛躍の年となった。



実は、この大会の準々決勝でベルディヒを破った際、「もっとディフェンス力を上げたい。劣勢の状況でも深く強く返して、相手にダメージを与えたい。ただ打球感は変えないでほしいです」という要望が出されていた。それに対して、ウイルソンが作りだしたのが「STeam 95」である。最大の特徴はパラレルドリル。通常、フレームに対して放射線状に空いているストリングホールを平行に空けることで、ストリングの可動域が拡大。スイートエリア面積、パワーがアップするというテクノロジーである。この完成品も同様に、秋のテストで気に入り、2013年7月より使用を開始している。2014年USオープンは、このラケットで決勝まで勝ち上がったわけだ。

そのUSオープンから遡ること4ヵ月、マドリード・マスターズでは、股関節痛のため途中棄権を強いられる。それが教訓となって、錦織はショートポイントの必要性を痛感したという。そして、「打球のスピードをもっと上げたい」とウイルソンに要望。2015年シーズンから使用を開始した「BURN 95」こそ、そのためのスペシャルラケットだ。基本的構造は、STeam 95のまま。フェイス面の内側にハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバーを採用。パワーロスを軽減したBURNは、テストの結果(ウイルソンラボでのマシンテストでは平均8%も球速がアップ)どおり、サーブ速度がアップ(ブリスベン国際では自己最速となる時速200キロを2度記録)。ツアー3勝、全豪、全仏でベスト8。ツアー最終戦出場とランキング4位にふさわしい結果を残した。

2015-2016
BURN 95
メンフィス3連覇、バルセロナ連覇、そしてUSオープンベスト4と
BURN 95は大きな武器に。2016年リオ五輪ではナダルを破り、
銅メダルを獲得する快挙を達成!



2017-
BURN 95 CV

疲労の蓄積が体に現れた2017年。カウンターベイル搭載のBURN 95 CVは、大きな助けとなる。2018年、切れ味を増して復帰を果たすと、USオープン、ベスト4で復活の狼煙を上げる。



同年末に、ウイルソンと「現役終身契約」(今日現在、フェデラーと錦織の2人のみ)を結び、迎えた翌2016年夏にはリオ五輪で、銅メダルを獲得している。



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