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2020.06.17

大会情報

NY便り「なんと州知事が開催を宣言! 選手たちの反応はどうなる?」

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6月16日、アメリカ『TENNIS.com』は、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が宣言した8月下旬のUSオープン開催について放送した。これは同州にとって、新型コロナウイルスによるパンデミックから復活する第一歩という位置付けになる。

クオモ知事は、会見で「USオープンは、8月31日から9月13日までクイーンズ(USTAビリー・ジーン・キング・ナショナルテニスセンター)で開催される。無観客での開催となるが、テレビで観戦できることに興奮している。テニス当局(による運営)は並外れた予防策を講じるだろうが、うまくやってくれるとはずだ」とコメントした。

その言葉どおり、USTA(全米テニス協会)は、ニューヨーク市でUSオープンの開催を決めたのだ。クオモ州知事のメッセージ後に、USTAのCEOマイク・ダウズ氏が「困難な時期に最初の世界的なスポーツイベントの1つを開催するという大きな責任を認識しています。可能な限り安全に実施し、すべての潜在的なリスクを軽減します」と語った上で、ATPマスターズ1000「シンシナティ大会」も、USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターで行うことを合わせて発表した。

「とはいえ開催に向けて疑問は残る」と綴ったのはAP通信のマリーナ・ヴィルヌーブ氏である。

確かにランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、前年王者のラファエル・ナダル(スペイン)、それにアシュリー・バーティ(オーストラリア)というトップ選手は出場に難色を示している[ロジャー・フェデラー(スイス)は休養に入ってしまった…ことも、視聴率に影響するだろう]。ちなみに、無観客であるため、収入面が危惧されていたが、USTAは、スポーツ専門チャンネル『ESPN』からの年間平均7,000万ドル(日本円にして約75億円)という放送権料を得られ、チケット販売の損失が補われるという。

さて、先日、セルビア・ベオグラードで開催されたジョコビッチによるエキジビションマッチは、大きな盛り上がりを見せた。セルビア政府もほとんどの新型コロナウイルスに関する規制を解除したため、観客も選手もマスクなし。ソーシャルディスタンスも取らず、これまでの見慣れたトーナメントのようだった。その場でジョコビッチは、「私が話をした選手のほとんどは、彼らがそこ(USオープン)に行くかどうかについてかなり否定的だった」と語っている。実際、シモナ・ハレプ(ルーマニア)はUSオープンをどうも欠場したい意向だと漏れ伝わってきている。逆にアメリカに拠点を置くセリーナ・ウイリアムズは、USオープンへの出場意思を明らかにしている。このように多くのヨーロッパ選手はUSオープンをスキップして、全仏オープンに備えるのでは?という噂も出てきている。

ニューヨークへの渡航も含めて、滞在期間中はかなりストレスがかかることになる。加えて、ハードコート後すぐにクレーコートに切り替えるのは、肉体的にも精神的にも簡単なことではない。開催が決まった今、選手たちはどんな反応をするのかに注目が集まるだろう。現地水曜日には、USTAが会見を行う予定。これに対して、選手たちのコメントが出てきそうだ。

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