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2021.06.29

デイリートピックス

アメリカの大学でテニスをするメリット ~大学テニスの仕組みや、大学を出てプロになったプレーヤーについても紹介~

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名門校に入学できる可能性がある

前ページで紹介したように、テニスが強い大学は学業面でも優れている場合が多い。日本でも有名なスタンフォード大学やコロンビア大学も、ディビジョンIにカテゴライズされている。これらの大学に入学するためには通常、高いGPA(Grade Point Average/高校での成績)やSAT(Scholastic Assessment Test/大学進学希望者を対象とした共通試験)の成績が必要になる。留学生の場合はTOEFLのスコアも基準をクリアしなければならない。このように学業だけで入学するのが非常に難しい大学であっても、テニスでの結果が評価されれば入学に有利に働く場合が多い。


プレッシャーが強いプロの世界において
よりどころとなる


プロの世界で戦うプレッシャーは計り知れない。「自分にはテニスしかない」と思って戦うことがより自分を強くしてくれるという側面もあるが、一方で、それに押しつぶされてしまう選手もいる。そんな時、大学の学位が気持ちのよりどころとなるかもしれない。テニスに限らず、アスリートにとって大きな敵であるバーンアウトも、10代のうちにテニスだけに打ち込む生活に入るよりも、リスクを減らすことができそうだ。


ともに戦う仲間ができる

テニスは、基本的に孤独なスポーツだ。そのことに変わりはないが、チームの一員として戦い、ともに勝利を喜び合える仲間ができるのも大学テニスのメリットだ。試合で遠征する際も、一人で行くより楽しく過ごすことができるだろう。


ちなみに香港では、小学校から学校対抗のテニストーナメントがある。中学、高校と年齢を重ねるにつれ、学校の代表としての意識が強まっていく。学校側も、テニスの結果が出ている選手を積極的に採用しており、このような学校は学業的にもトップ校である場合がほとんどだ。香港のトップ校はアメリカの大学と非常に強いコネクションを持っており、ハーバード大学に優秀なテニス選手を進学させたりしている。そのため、幼い頃からテニスで活躍している子どもの親はこのような未来を見越している場合も多い。

大学を出てプロになったトッププレーヤー

大学を出てからプロになり活躍した選手といえば、男子ではビッグサーバーのイズナー(ジョージア大学)やアンダーソン(イリノイ大学)らが挙げられる。また、すでに引退しているが、ダブルスのレジェンドともいえるブライアン兄弟(マイク・ブライアン、ボブ・ブライアン)もスタンフォード大学に奨学金を得て進学している。


女子では、今年の全豪オープンで決勝へ進んだジェニファー・ブレイディ(アメリカ/同15位)がUCLA(カリフォルニア大学ロスアンゼルス校)を卒業。ダブルスで活躍を見せている日本の柴原瑛菜(橋本総業HD/ダブルス世界ランキング13位)もUCLAに進学している(休学してプロ転向)。また、昨年の全仏オープン覇者のイガ・シフィオンテク(ポーランド/同9位)は、これまでもテニスと学業を両立してきたとしており、数年はテニスに集中するものの、その後大学に行くというチョイスも考えているようだ。

プロになってから学び直す選手も

女子の世界ランキング12位のガルビネ・ムグルザ(スペイン)は、ハーバード大学のビジネスコースを修了している。同コースはテニス選手に人気があり、元世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキさんやママとしてツアーに戻ってきたビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/同14位)も学んだことがある。彼女たちの姿勢は、知的好奇心を満たす活動を始めるのはトッププレーヤーになってからでも遅くはない、ということを証明してくれている。


さまざまな可能性を残しておきたい

テニスを愛するジュニアにとって、時に学業は邪魔に思えることがあるかもしれない。しかし多くの可能性を残しておくことは、後々自分のためになるのは間違いないだろう。アメリカの大学は奨学金制度も充実している。大学に進学したうえでテニスを続けることを早いうちから視野に入れておくと、過剰なプレッシャーを上手にかわしながら長くテニスを続ける礎を築けるかもしれない。

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