ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)とともに、世界のトップを走り続けている世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。そのコーチであるマリアン・バイダ(スロバキア)が、母国・スロバキアのメディアにコーチ就任のきっかけを明かした。
ご存知ない方もいるかもしれないが、バイダ氏は、現役時代に2つのタイトルを獲得、自己最高ランキングは世界34位を記録している元プロテニス選手。1994年の引退後は、スロバキアのデビスカップ、フェドカップのキャプテン(監督)を務めた経歴を持っている。その彼が、ジョコビッチのコーチに就任するきっかけとなったのが、2006年の全仏オープンだという。
「大会前に、彼(ジョコビッチ)の代理人から『ジョコビッチに興味はあるか』と聞かれたんだ。でも、彼はまだ世界ランキング63位で、あまりよく知らなかった」と、当時は存在さえ知らず、最初はコーチに興味がなかったという。それでも現地へ足を運んだのは、別の理由があったから。「11歳の娘に初めてのパリを見せたくてね。(全仏に行くことに)自然と承諾していたよ(笑)」
大会では、当時世界ランキング9位のフェルナンド・ゴンサレス(チリ)やトミー・ハース(ドイツ)、ガエル・モンフィス(フランス)らツアーをけん引する選手らを撃破したジョコビッチ。見事、ベスト8入りを果たす活躍を見せ、バイダ氏もその才能を認め、「コーチとして次の大会に向かった」という。
バイダ氏のコーチ就任後、ジョコビッチは2006年にツアー初優勝を挙げ、今ではフェデラー、ナダルに次ぐ、歴代3位となる17度のグランドスラム優勝という偉大なテニスプレーヤーとなった。
もし、バイダ氏が2006年全仏オープンに行かなかったら…。
史上最高とも言われるタッグは見られなかったかもしれない。
写真=石塚康隆(NBP)
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