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2020.03.31

ジュニア選手

3年目は特筆すべきシーズンとなった「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」

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“プロになりたい”という本気の想いを持つ女子ジュニアのためのプログラム、それが「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」である。なぜジュニアを支援するのか? と疑問に思う人もいるかもしれないが、そこには明確な理由がある。

まずトッププロになるためには、ジュニア時代をいかに過ごすかが重要であることに異論はないだろう。そして、現状、日本では、ジュニアの間は国内大会を主に活動し、早くても高校卒業後にプロ転向というのが主流である。これが、いわゆる日本式のパスウェイ(通過点)だ。

一方、世界のトップオブトップは14歳になった時点でプロになる。14歳でプロになるということは、その直前の「12〜14歳こそが、プロの世界に立つ上で最も重要な準備期間」と考え、切磋琢磨していることになるわけだが、実は、プロを目指す世界のトップジュニア達は、ヨーロッパだけでなく世界中から有望選手が集まってくるテニスヨーロッパで経験を積み重ね、13歳になったら条件付きで解禁となるITFジュニアに挑み、さらにステップアップできれば、14歳でITFシニアツアーに挑むというルートを辿っていくということがわかっている。上手くポイントを積み重ねられれば、この後にWTAツアーやグランドスラムという可能性も芽生えていくのだが、これが、世界のトップオブトップが目指す最新のパスウェイだと言えるだろう。

この、日本式のパスウェイと、世界の最新のパスウェイを比較してみるとどうだろうか。日本式では、世界のパスウェイとは全く関係のない道を歩むことになる為、ポイントを稼ぐことも難しければ、将来ライバルとなるはずの同世代の世界トップジュニアと競うことも困難だ。つまり、日本の育成は世界に置いてけぼりになってしまっているということになる。

だからこそ、「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」では、国内の有望なジュニアを世界のパスウェイに乗せることを目的に、極めて重要となる12~14歳の3年間をサポートしているのだ。海外の地で将来のライバルと対戦させたり、プロにつながる登竜門的大会(フランスの「プチザス(テニスヨーロッパジュニアツアー最高峰の大会)」、アメリカの「エディーハー」「Jr.オレンジボウル」)で戦うチャンスを提供しているのも、世界のトップオブトップがこぞって出場する大会だからだ。

齋藤咲良は、世界三大ジュニア大会で 特筆すべき成績を残す
齋藤咲良選手

2017年にスタートした同プログラムの3年目、今シーズンは手応えを感じる年となった。

 特筆すべきは、TEAM2006・齋藤咲良の活躍である。4月のSALONA CUPで優勝したほか、テニスヨーロッパの大会でコンスタントにポイントを稼いで経験値を上げていくと、14歳以下の世界三大ジュニア大会と言われる「エディーハーインターナショナルU14」と「Jr.オレンジボウルU14」でそれぞれ単複準優勝と3位と殊勲の結果を残している。しかも、どちらも13歳での成績だから恐れ入る。更には、14歳以下の真の世界一決定戦と言われている今年1月のフランス「プチザス」では、テニスヨーロッパを回って獲得したポイントを活かして見事本戦ストレートイン。シングルスでこそ、悔しい初戦敗退となったが、小池愛菜と組んだダブルスでは準優勝という好成績を残した。

「エディーハーで準優勝、Jr.オレンジボウルでベスト4など、いい成績は出ているのですが、優勝することができていない。大会最終日までしっかり自分のプレーを貫けるようにしたいです。ただ、その中でエディーハーの試合でもそうですが、日本にいないタイプのリズムをつかみにくい選手に対して、ただ打つだけでなくドロップショットなどで相手を動かして勝つことができたのは、今までやってきたことが生きたのかなと思います」と語った齋藤。世界のトッププレーヤーのパスウェイに乗ったこれからは、来年のグランドスラムジュニア出場を目指して、ITFジュニアを主戦場とした遠征を計画中だ。今後の成長が、さらに楽しみである。

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