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2022.09.09

ジュニア選手

MAT Tennis Academy・松田隼十コーチに聞く「プロを目指すなら早い段階で海外を体験すべき」[USオープン]

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勝ち切るメンタルを作るためには
経験と学びが必要となる

日本の次世代を担う“黄金世代”の選手の一人、齋藤咲良(MAT Tennis Academy/ITF世界ジュニアランク12位)選手はグランドスラムジュニア4大会目となるUSオープンジュニアに挑んだ。

【表】ITFジュニアトップ100に入っている日本人選手(9/6現在)がこちら

前哨戦から北米入りして、1大会目に単複優勝、2大会目に準優勝と結果を残していたものの、USオープンのシングルスでは流れを掴み損ねて1回戦で逆転負け。悔しい結果となってしまった。しかし「この大会が最終目標ではない」と齋藤選手を指導する松田隼十(MAT Tennis Academy取締役)コーチは、もっと先を見据えている。

どのように強化を図り、世界で活躍するために必要な要素は何なのか? 松田氏にご自身の考えを伺った。

Q. 齋藤選手は、難しい展開の中で逆転負けとなりました。

「USオープンの前哨戦から入って良い結果を残していて、今日どんなプレーができるかなと思っていましたが、流れを掴み切れませんでした。第2セットの出だしで流れが来た時に、相手のミスを待ってしまいましたね。そういう時こそ、自分からポイントを取りに行くべき。リスクがあるかもしれないけど、チャレンジする強い気持ちは必要です」

Q.そういった気持ちは、トレーニングで強化きるものですか?

「専門的なメンタルトレーニングもあり重要とは考えていますが、今の時点で重点を置いているのは大会を回りながら、試行錯誤し、経験して強化を図っています。特に彼女にとって、この大会が最終目標ではない。試合で良いメンタルを発揮できるかどうか、できないなら何を学ぶか。それを本番で経験値を上げることは今は重要。メンタルは人それぞれ違うものと考えているので型にはめるものでないと思います」

Q.練習中に追い込んで精神面を鍛えようというコーチもいますよね。

「私はそういうことはやりませんね。特に女子選手には理屈を説明します。例えば今日の試合でも、大きくリードしたら、相手は当然、割り切って強気でプレーしてきます。40-0から取られたゲームがいくつかありました。相手はそこで失うものはないと気楽になって打ってくる。それをわかっていれば心構えができるし、気持ちの対応もしやすいですよね。もちろん、良いプレーをされてポイントを奪われたなら仕方ないと割り切るべきです。このステージになると、特に精神的な強さが必要になってきます。すでに勝てる実力があることは自分でも分かっているだけに、勝ち切るためにメンタル、気持ちが必要になってきます」

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写真=田沼武男