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2022.09.09

ジュニア選手

MAT Tennis Academy・松田隼十コーチに聞く「プロを目指すなら早い段階で海外を体験すべき」[USオープン]

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目標は人それぞれ、その過程で
選択肢を示せる人が周りにいるべき

Q.話を伺っていて、ネガテイブな見方というのが感じられませんね(笑) 

「一切ないですね。ネガティブなことは考えてもしようがない。仮に強くなって結果が出たとしても、必ず負ける時が来るし、悪い流れも来る。それがテニスだし、スポーツというもの。1年間、大会に出たら大変な時期も必ず来ます。でも、そこがあるから良い流れもある。そういう広い視野を持つ人が、選手の周りにいてほしいなと思います。

保護者の方によっては、結果に一喜一憂しますよね。それも大事なことです。ただ負けた時、落ち込んだ時にどうするかが一番重要です。勝ちは大事ですし、結果がすべてという側面もありますが、長い目で見てストーリーを作ってあげるべきです。選手によってプロを目指す、全国大会を目指す、県大会を目指す、など目標はいろいろあります。どれが良い悪いとかではなく、目標に向かっていく中で、自分にどんな選択肢があるのかというのを示すようなサポートをすべきだと思います」

Q.それぞれが目指す目標によって、サポートすべきことが変わってくるということですね。

「そうですね。それと個人的には技術的なことでも、個性を大事にしたいと考えています。人によって体格も違うし、成長速度も違います。軸にあるものさえブレてなければ、みんなが同じフォームでなくてもいいと思っていますし、だからこそ指導する側が正しいサポートをすることが重要ですよね」

Q.考え方はアメリカのコーチに近いですね。

「さまざまな経験を経て考えついたものだと思います。ブレてはいけない部分さえ、抑えていれば良いというものもそうですね。試合の中でポイントを取る、結果を出すことはとても大事です。でも、負けることもある。そこで何を得て、次に活かすのか。実力は上がっていっているわけですから、一歩一歩進むのみ。私たちコーチの責任としては、経験をどう活かすようにするかというところですね」

Q.改めて、日本人選手の長所はどこだと思いますか?

「括りでいうなら勤勉さ、真面目さという部分では他国の選手より秀でている傾向にあると思います。もちろん、海外にもそういう選手もいますが、日本人選手のほうが努力できる選手が多い気がします。だからこそ、賢さは必要になってきます。外国人が持つ楽観さが悪いとかではありません。それは日本人にも必要な要素だし、テニスにおいては勤勉さ、楽観さのバランスが大事です。大事なのは、いかにエネルギーをうまく使ってプレーするか。結局、テニスは最終的に勝てばいいわけです」

Q.このあと、齋藤選手と試合を振り返る機会があると思います。どんなタイミングが良いというのはありますか?

「人によって、言葉が響く時間が違うと思っていて、彼女の場合は、試合直後には言いません。落ち着いてから話すほうが効果的ですね。本人の感情もあるし、体調もある。2人でそこを照らし合わせていって、この状況ではこういう選択肢があるよね、とやっていきたいと思います。次に繋げるためにもその過程は大事です」

Q.貴重なお話、ありがとうございました。



■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)
・使用球/[男子]ウイルソン「USオープン・エキストラ・デューティ」、[女子]ウイルソン「USオープン・レギュラー・デューティ」

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写真=田沼武男