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2023.09.28

選手情報

中山芳徳・ナショナルジュニア女子ヘッドコーチ、トップ50の壁を突き破るためには「うまくいかないことにどう向き合い、自分の伸びしろを見い出せるか」

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――それはエネルギーだったり、私はやってやる!という個性や「我」のようなものなのでしょうか。もっと上に行きたいとか。

そうですね。「ウィルパワー」(意志力)とかキャラクターというのは非常に必要ですね。負けづづけていると自分を見失いかけることもあると思います、ミスが多いとか、歯が立たない相手と対戦しないといけない。想像している以上にこの競技自体にストレスがかかります。そこを乗り越えるためにこの差をハードワークして乗り越えないといけないそうなると相当意志が強くないといけない。

――もう数年後にはプロのツアーにいかなければならないという現実があります。

普通の日本人の子が考えるストレスを彼女たちは日常にできているから一つ先を行っています。海外だと普通に住むことも圧力がかかります。英語ができる、できないなど一つ一つが知らないことでストレスだと思うのですが、こういうのも積み重ねの一つになります。いろんな人種がいて、言葉や食事のことなど挙げればきりがなく、その中で彼女たちは過ごしています。

残念ながらテニスというのは、ヨーロッパやアメリカが中心のスポーツなのでその中にいる必要があると思います。競技の一番高いところに行くわけですから我々はアジアにも日本にもその環境がないので外に出ていくというのは必至だと思います。

――それは世界基準の「鉄則」なんですね。

絶対ですね。それが結果的に我々はテニスでいろんなことを育んだ人が世の中の役に立つ、貢献できる人を作るということがテニスの、我々スポーツに関わっていく人の一番の目的なのでプロだったらどうだとか、成績がどうだったということよりもそういう人を作りたいと思っています。言葉やいろんな文化を理解することによって表現できるストライクゾーンが広がります。それが日本をある程度理解する人にしか通じないではなく、その人が育んだセンスが言葉とかいろいろな宗教とか文化とかを理解する事によっていろんな人に伝えることができる。今はそういうグローバルなものが求められている。海外組がそういうことができる社会に貢献できる頻度は大きいと思います。

――テニスの勝敗だけで判断してしまうと視野も広がらないのかもしれません。

すぐ日本人はサイズが小さい、武器がないと言いますが、ATPの中では西岡選手やヒューゴ・ガストン(フランス/同99位)、ディエゴ・シュワツルマン(アルゼンチン/同114位)など活躍しているのも現実。もちろん確率が少なく、次出てくるのも難しいのもわかります。でも何がないからダメと諦めるのではなく、あえてやるという情熱があることが大事です。簡単ではないし大変だと思いますが、決めたんだから簡単に「諦めない」グリット(やり抜く力)みたいなものをちゃんと持ち合わせている人でないと。そこに物を考える力だったり、何かを考える上で情報を集めよう、ロジカルな頭を持っているというのは大事ですね。

――みんなに合わせなきゃとか自分が気後れしてしまう思考はテニスまで小さくまとまってしまいそうな気がします。

相手の立場になってテニスを考えたら、もう少し相手の崩し方とか、相手の良いとこの消し方が見えてくると思うんです。それが「主観」で好きか、好きじゃないか、だけだと厳しいですね。もちろん『主観』の大事さもあります。例えば、友達に見たくない映画に誘われても、これ見たかった!と嘘をついて観るのではなく、ちゃんとこの映画好きじゃないからまた誘ってねと自らの意見や気持ちをちゃんと主張できる『主観』もとても外に出たときに必要とされます。だからこそ頑固に貫くという良い面もあります。しかし一方で、目の前にいる友達が、りんごが大好きでこれから食べようとしているに、『私りんご嫌いで、絶対食べれない最悪!』と言ってしまったりします。ここで言われた相手の立場になって考えるという『客観』がないと、テニスにおいても自分が上手くいかないや負けている時に、相手の立場になって突破口を開くこともできずただパニックになってしまいます。

『上手くいかないことの連続を経験しそれに向き合うことによって、なりたい自分を作って行く!』それが、今後選手たちがさらに伸びて行く、大きな要素と考えています。

――主観と客観、相手への許容と理解そしてストレスへの免疫力など楽しくお話ししてをさせていただきありがとうございました。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma