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2020.09.04

メーカーズボイス

革新のテニスブランド「バボラ(BabolaT)」の歴史を徹底解説、ストリング編【前編】

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“プレーヤーの助けになることは何か?”
<革新のバボラ>は常に
歩み続けてきた

2004年には、現在のプロツアーでは当たり前のハイブリッド張りを先取りし、「ハイブリッドカスタム」をリリース。バボラは「ストリングは自動車のエンジンと同じだ」という考えを持っている。しかし、そのストリングも従来の物は、パワー、コントロール性、耐久性、打球感のいずれかに秀でたものばかりだった。<どうにか2つの特性を、同時に引き出すことができないだろうか>、そう考え抜いた末に、導き出した答えがメインとクロスで異なるストリングを張る「ハイブリッド張り」だったわけだ。2004年4月、ハイブリッド張り用ストリング「VS+プロハリケーン+」を使ったアンディ・ロディック(アメリカ)は、時速244.6キロという世界最速サーブ新記録を樹立(同年9月には、時速249.4キロまで更新している。現在はサム・グロースの時速263キロが最高速)。それはバボラが考えたストリングの可能性が一つの形となった瞬間と言える。




ちなみに、その前後になるが、バボラ社はステンシルの性能を引き出すワニス「バボル」や寿命を伸ばすためのストリングセイバー「エラストクロス」、さらに高テンション時代に対応するための「ストリングマシーン」、ラケットの計測器など、画期的な商品を生み出している(おもしろいところでは1986年、バボラは先駆けてステンシルマークを入れている)。そういった中でも特にご紹介したいのが、1981年に誕生した世界初のストリンギングチームである。バボラのストリンガーたちが、国際的なプロツアーの裏で活躍していなかったら、多くのドラマは生まれていなかったかもしれないわけだ。




バボラを愛したプレーヤーたち
それは、テニス史を彩った
スーパースターたちである

先に名前をあげたスザンヌ・ランラン、フランス四銃士に加えて、ジャック・クレーマー(アメリカ)、アーサー・アッシュ(アメリカ)、スタン・スミス(アメリカ)、イリー・ナスターゼ(ルーマニア)、ビヨン・ボルグ(スウェーデン)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)、ヤニック・ノア(フランス)、ボリス・ベッカー(ドイツ)、ピート・サンプラス(アメリカ)、キム・クリスターズ(ベルギー)…など過去のスーパースターをあげるだけでも切りがない。もちろん現代テニスでも同様だが、テニスの創世記を作り上げてきたバボラは、時代、時代のスーパースターの活躍を支えていたわけだ。



テニス史において、常に<革新>を送り続けてきたバボラ。もしも…バボラのストリングがなかったら、数々のドラマはもっと色あせたものになっていたのではないだろうか?

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