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2017.09.20

メーカーズボイス

USオープン2017 REPORT

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USオープンにフェデラーが帰ってきた。欠場者も多く出たUSオープンだが、終わってみれば、多くのニューヒーロー、ニューヒロイン、そして数多くの好試合が見られた素晴らしいグランドスラムとなった。

アンドレイ・ルブレフ
王者の系譜はルブレフに受け継がれるのか
ビックネームを倒して掴んだUSベスト8

ターニングポイントになった大会というのは多くのスターにあるもの。アンドレイ・ルブレフにとって、それは今回のUSオープンかもしれない。
 ネクストジェネレーションを代表するプレーヤーである19歳は、今年飛躍的な進歩を遂げてきている。156位から始まったランキングが、6月に100位を切ると、7月、クロアチア・オープンで初優勝を果たすと50位以内にまでランキングを上げていた。「昨年と比較して、フィジカル、テクニック、すべての面で進歩している」(ルブレフ)、自信を持って臨んだUSオープンだった。


全米ベスト8のアンドレイ・ルブレフ

初戦ベデネをストレートで退けると、2回戦で相見えたのはディミトロフ。同じPRO STAFFを使用するトップ・プレーヤーである。大方の予想は、ディミトロフだったはず。実際、第1セット、ルブレフは先にブレークされて1−4とリードされてしまう。試合後にルブレフは「攻撃的なプレーこそ僕のスタイル。とにかくファイトすることに集中した」とコメントしているのだが、すると、ミスが目立ったストロークが入りだし形勢が逆転。第1セットを奪うと、低く速いフォアハンドを武器にリズムを取り戻し、ストレートでアップセットに成功する。

この勝利が、彼を加速させたことはまちがいない。ルブレフは続く3回戦でズムルを3−1で下すと第9シード、ゴフィンとの4回戦を迎える。ヒザを痛めているとはいえ、相手はトップ10経験者。接戦となるという予想は覆される。ゴフィンのセカンドサーブを攻撃的に返していくと、持ち前の低い姿勢から放つ電光石火のフォアハンドが次々とウィナーとなっていく。なんとゴフィンからもストレートで勝利をもぎ取ってしまった。

ついにベスト8にまで到達。そこに待ち受けていたのは、ルブレフ憧れの選手でもあるナダル。 「現在の力を知るいい機会だ。ラファにはフットワークと驚異的なディフェンスがあるが、僕にもいいショットはあるし、速いテンポ、速いショットという武器もある。大一番だ。ぶつかっていく」


結果的に、奪ったゲームは5(内ブレークは1)。ナダルの牙城は高いものだった。しかし、その中でルブレフは渾身のショットを打ち続け、ナダルを脅かすシーンも見られた。「彼は、今大会、ディミトロフ、ゴフィンに対して、素晴らしいゲームを披露していきた。まちがいなく、次世代のテニス界を担う一人だろう。彼には素晴らしい未来が待っているはずだ」、試合後、ナダルは称えた。

「グランドスラムの準々決勝でNo.1のラファと戦えた。素晴らしい経験だし、これからどれだけレベルアップしなければいけないかもわかった。僕はもっとハードに練習すべきだ。そして、すべての弱点を克服したい。次に対戦する時を楽しみにしてほしい」。敗れたルブレフは、そう語った。

30代と10代がグランドスラムの準々決勝以上で対戦するのは、1990年USオープンで対戦したサンプラス(当時19歳)とマッケンロー(同31歳)以来。サンプラスが後に黄金時代を築いたことは言うまでもない。そのサンプラスを始めとする歴代王者が手にしてきたPRO STAFFを手にするルブレフ、彼にはどんな未来が待ち受けているのだろうか。



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