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2020.07.26

選手情報

西岡良仁が第2回『N論』を開催。「キャリア」をテーマに中高生と語り合う

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西岡選手が70名超の学生に対して
自らの体験談を話していく

7月25日、西岡良仁選手(ミキハウス)が、第2回オンラインテニス教室『N論』を開催。今回は70名超の学生(今回は高校生が中心。中学生も参加)が参加し、「キャリア」をテーマに西岡選手と参加者が話し合った。



N論とは、1人でも多くの若者が 夢に向かって 飛び出していくために、テニスに真剣に取り組む若者、保護者、先生、コーチ、メディアの方、などなどテニス界を盛り上げたい、若者を応援したい、そんな思いをもったたくさんの人たちがつながり 自由に語りあう場。西岡選手は「自然に話せる場としてやっていきたいというモットーがあり、参加者の皆さんとしっかりコミュニケーションを取っていき、その中で伝えたいものがある。それがN論のベース。年齢、立場を超えて切磋琢磨できる場に育てていきたい。でも、緩めにやっています(笑)」と説明する。

関連記事【西岡良仁がプロを目指す子どもたちにオンラインテニス教室を開催「プロになるとは?」を伝える】

将来を決めるにあたって
大事なのは“自分で決めること”

質疑応答に入る前に、まずは西岡選手が、今回のテーマについて語っていく。
「今回のテーマは、高校という大事な時期に、キャリアを見据えるために話ができたらと考えたからです。例えばプロになることで迷っている人もいると思います。僕の場合、プロになることに迷いはなかったけど、実は周りからは早いと言われていました。というのも、コート上での態度が悪かったりしたから(笑) だから『プロは無理だ』『大学を経験しろ』と言われたりしていました」
「プロになるという信念を持っていたので、もし大学に行くことになったら、テニスを止めていたと思います。意思を突き通してプロになったのです。これがいいというわけではありません。いろんな考えがあっていい。大切なのは自分で決めるということ。最終的に悔いが残らないことが大事なので、もし今、悩んでいるというなら、最終的な決断を自分で決めてほしい。そうすればキャリアを築けると思います。決断力は大切だと思います」
その後は、質疑応答へ。今回は高校生中心だったが、ジュニアプレーヤーにとってもタメになる言葉が多いはず。少々長いが、余すことなくご紹介していこう。

Q.プロになるという決断に至った理由は?
西岡「プロとしての生活が夢だったし、自信があったのです。実際、ほとんどのことを犠牲にしてテニスに打ち込んでいました。地元の友達と遊んだこともないし、他の競技をやったこともない。それが良いというわけではなく、当時は(プロになるためにやるという)選択肢しかなかったわけです。
ただ、心が折れる時もあります。マジで勝てない奴が世界には存在するので。僕は日本で一番だったけど、世界にはもっと強いヤツがいた。例えば、カイル・エドムンド(イギリス)には、6連敗しています。まったく勝てなくて、心が折れそうになりましたね。パワーが違うし、身長も違う。でも、そこで将来を見据えてやっていこうと決めたんです。今は勝てなくても、将来勝つ。自分を第三者的な目線で見て、何が必要かを分析していきました。そうしたら、2年後には勝てるかもしれないと思いました。そうしたら2年後、本当に勝てました。落ち込むこともあると思いますが、第三者的な視点で自分を見ることは大事だと思います」

Q.実際の練習で工夫したことは?
西岡「一日中、テニスのことを考えることは不可能なので、メリハリを付けました。それによって集中力が持続するようになったのです。本当に休む時は休むので、ある時は24時間ベッドにいたことがありますよ。飲まず食わずで死にそうになってベッドから出て(笑)

もし皆さんがやるなら、コーチを信頼してください。ジュニアの頃はメニューを組んでもらえるので、それに従って練習しますね。その練習に、どんな理由があるがあるかを自分で認識することが大事です。ある日だけ、いっぱい練習したからって明日ジョコビッチに勝てるわけではない。でも、それを継続していけば、可能性が増えます。だから長いスパンで見て、将来勝てれば良いと思ってやることがいいと思います。皆さんくらいの年だったら、とにかくガムシャラにやることが大事だと思います。将来のことを考えると目先が見えなくなってしまうので、バランスが難しくなります。そこを見てもらえる人、コーチなどにリードしてもらうことが大事です。

こういう考えは、ある程度トップを知ってから、自分で考えられるようになったことです。練習中も、第三者の目線で見ることができるようになったので、今はコーチをつけていません。ATPのトップ100でコーチがいないのは僕だけじゃないかな(笑) ただ、国内ではナショナル・トレーニング・センターで練習しているので高田コーチや岩渕監督にも見てもらっていますが」

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写真=N論事務局

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